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脂質のチカラを再発見!
2025.07.30

脂質はとらない方がよいものと思われがちですが、私たちが生きていくために大切な栄養素の一つです。この記事では、脂質について紹介します。
脂質とは?

脂質は炭素、水素、酸素からなる脂肪酸から構成され、脂肪酸のつながり方や数によって、脂質の種類や性質が決まります。脂肪酸は、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けられます。飽和脂肪酸はバターのように常温で固体になりやすく、主に動物性脂肪に含まれています。一方で、不飽和脂肪酸はサラダ油のように常温で液体になりやすく、植物油や魚油にも含まれています。脂質は大きく分けて中性脂肪、リン脂質、コレステロールなどに分類されます。
昔と今で違う脂質の位置づけ
日本人の食生活の変化とともに、脂質の位置づけも変化してきました。昔は穀類を中心とした炭水化物主体の食事が一般的で脂質の摂取量は比較的少なかったのですが、現在は肉類、乳製品、油脂類をとる機会が増え、食の欧米化が進み、脂質の摂取量も増えたと言われています。
そして、最近では、「量」だけでなく「質」にも注目が集まっています。青魚に含まれるオメガ3系脂肪酸は脳や血管の健康維持に役立つことがわかってきており、生活習慣病予防の効果が期待されています。一方で、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸の過剰摂取は生活習慣病のリスクを高める可能性があるため、脂質の質を意識した食事選びへと変化しています。
トランス脂肪酸とは
不飽和脂肪酸の一種で、不飽和脂肪酸の構造は通常、分子が曲がった形をしていますが、トランス脂肪酸は分子が直線的で人工的に作られることが多いです。この構造の違いにより、常温でも固体になりやすく、マーガリンなど加工食品として使いやすくなります。
脂質=悪ではない!?脂質がもつ役割とは?
脂質と聞くと、太る・健康に良くないというイメージを持つかもしれません。しかし、脂質は最も効率的なエネルギー源となるだけでなく、その他にもさまざまな役割があります。
●効率的なエネルギー源になる
脂質は1gあたり9kcalと、たんぱく質や炭水化物と比べて高いエネルギーを持つ栄養素です。安静時や長時間の運動時に利用されることがあります。
●細胞の「膜」を作る
細胞膜は細胞を外界から守る“しきり”のようなもので、ただの壁ではありません。リン脂質やコレステロールは、細胞膜の主要な構成成分であり、さまざまな物質を行き来できるよう、しなやかで丈夫な膜を作っています。
●ホルモンの材料になる
脂質の中でコレステロールは体内でホルモンの材料となります。ホルモンは体の成長やストレスへの対応にも関わり、体の機能を支える重要な役割を果たしています。
●脂溶性ビタミンの吸収を助ける
ビタミンA・D・E・Kは脂溶性ビタミンであり、脂質と一緒にとることで吸収率を高めることができます。
●必須脂肪酸の供給
必須脂肪酸であるDHA・EPA・リノール酸は体内で合成することができないため、食事からとる必要があります。DHA・EPAは脳の機能維持や炎症の抑制効果が知られています。詳しくは、モアサプ「DHA・EPA」をご覧ください。
脂質はどのくらい必要?
脂質の必要量は、日本人の食事摂取基準(2025年版)では、以下のように1日あたりの目標量が定められています。
目標量
男性・女性(18歳以上):20~30%エネルギー
<例>1日あたり2000kcalの場合、約45~65g
●%エネルギーとは?
エネルギーは主に脂質、たんぱく質、炭水化物などから作られ、1日の総エネルギー摂取量のうち、その栄養素が占める割合の単位を示しています。1日のエネルギー摂取量のうち20~30%を脂質から摂取することで、摂取不足を防ぐとともに、過剰摂取による生活習慣病予防とその重症化予防にもつながります。
脂質の不足ととり過ぎについて
脂質が不足すると
脂質の摂取量を極端に制限すると、エネルギー不足、脂溶性ビタミンの吸収不良、皮膚や髪の乾燥や炎症が起こりやすくなります。また、ホルモンバランスの乱れ、免疫力の低下などが起こる可能性もあります。特にDHA・EPAの不足は脳機能や心血管系への影響が懸念されます。
脂質をとり過ぎると
脂質をとり過ぎると、1日のエネルギー摂取量が増えることにつながるため、肥満、脂質異常症、心血管疾患などの生活習慣病になるリスクを高め、脂肪肝といった肝機能への影響も考えられます。特に、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸はこのような健康へのリスクが強く指摘されています。
また、脂質の多い食事は消化に時間がかかり胃腸に負担をかけます。脂っこいものをとり過ぎたときには消化不良や胃もたれを起こすこともあります。
脂質を含む代表的な食品
●できるだけ控えたい食品
脂身の多い肉、バター、マーガリン、インスタント食品など(飽和脂肪酸、トランス脂肪酸)
●意識してとりたい食品
サバやサンマなどの青魚(オメガ3系脂肪酸:DHA、EPA)
まとめ
脂質は、不足もとり過ぎもダメ。不足すれば体の機能は低下し、とり過ぎると生活習慣病のリスクが高まります。敵にも味方にもなる脂質。脂質の役割を理解し、日々の食事の中で「量」と「質」の両面を意識することが健康的な食生活への第一歩になります。
◆参考資料
厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2025年版)
文部科学省 日本食品標準成分表(2020年)八訂





