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DHA・EPA
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脳と血管を守るDHAとEPAの魅力
2025.07.30

この記事では、私たちの健康を支える注目の栄養素DHAとEPAについてご紹介します。
DHAとEPAとは

DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)は青魚に多く含まれる多価不飽和脂肪酸の一種です。1960年代にグリーンランドのイヌイットが心筋梗塞の発症率が極端に低いことに着目した研究者たちが、彼らの食生活に含まれるアザラシや魚の脂肪酸に健康についての秘密があることを突き止め、DHAとEPAの重要性が広く知られるようになりました。
※EPAはIPA(イコサペンタエン酸)とも呼ばれています。
DHAとEPAの働き
DHAは脳や神経系に多く存在し、特に記憶や学習を司る「海馬」に多く含まれています。胎児期から老年期に至るまで、脳や神経の発達・認知機能維持に重要な役割があることがわかっています。
また、DHAとEPAは「血液サラサラ」効果で知られ、血中の中性脂肪や、LDL(悪玉)コレステロールを減らし、HDL(善玉)コレステロールを増やすことで、脂質異常症や心筋梗塞などの予防や改善が期待され、医薬品にも活用されています。
DHAやEPAを含む代表的な食品
まぐろ・いわし・さば・ぶり・さんま
DHAとEPAの効果的なとり方
DHAとEPAはどちらも体内では合成できないため、食事からとり入れる必要があります。ただし、これらは油の一種であることから、加熱をすると流れ出てしまうため、刺身やカルパッチョなどの生食や、つみれ汁やブイヤベースのように溶け出したDHAやEPAをとり入れられるような料理にしたり、缶詰などを活用したりするのがおすすめです。また、酸化しやすい性質があるためビタミンCやビタミンEなどの抗酸化ビタミンを一緒にとるとよいでしょう。
魚を食べると頭が良くなる?
DHAと脳の関係については、英国の脳栄養学者のマイケル・クロフォード博士が、1989年に「日本の子どもの知能が欧米の子どもと比べて高いのは魚を多く食べる習慣が一因」と発表したことで注目を集めたと言われています。
もちろん、これだけで知能の高さが決まるわけではなく、遺伝的要因や環境的要因も大きな影響を与えますが、それでもDHAやEPAの有用性は世界中で関心が高まり、さまざまな研究が進められています。
魚離れの日本
日本では食の欧米化により魚離れが進み、2006年には一人一日あたりの魚介類の摂取量が肉類を下回り、現在もその状況が続いています。また、特定の年代で魚離れが進んでいるのではなく、すべての年代において魚介類の摂取量が減少し、反対に肉類はすべての年代で摂取量が増加しています。そのため魚離れによる脳の機能や健康への影響が懸念されています。
水産庁では、日本の水産物の消費量が減少傾向にあることから、2022年10月より毎月3~7日を「さかなの日」、11月3~7日は「いいさかなの日」として、水産物の消費拡大に向けた活動の強化週間として設定しています。
EPAとうつ病
EPAはセロトニンやドーパミンなど気分にかかわる神経伝達物質の働きをサポートすると考えられています。また、うつ病患者の体内で見られる炎症マーカーを抑える働きがあるとされ、さらに、脳の柔軟性や回復力を高める可能性もあり、うつ病の症状改善に期待されています。
魚以外のEPA
近年では、海洋資源の保護やヴィーガン、ベジタリアンの観点から、魚由来以外のEPAにも注目が集まっています。
●微生物由来のEPA
微細藻類を培養し、発酵によってEPAを生産する方法です。
●植物由来のEPA
遺伝子組み換え技術を用いて、EPAを生産できる植物の開発が進められています。
これらの代替EPAは、今後の持続可能な栄養供給の選択肢として、広がりをみせることが予想されます。
まとめ
DHAとEPAは、胎児期から老年期まで、私たちの健康を支える重要な栄養素です。魚離れが進んでいる今だからこそ、意識的に青魚を料理に加えDHAとEPAをしっかりと補うことが大切です。日頃水産物を食べる習慣がない人は、毎月3~7日の「さかなの日」にあわせて魚を食べることから始めてみませんか。
◆参考資料
Bang HO and Dyerberg J and Nielsen AB.Plasma lipid and lipoprotein pattern in Greenlandic West-coast Eskimos.Lancet 5:1143-5,1971
水産庁 令和6年度水産の動向 令和7年度水産施策
厚生労働省 平成19年度国民健康・栄養調査





