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生活習慣病
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生活習慣病がよくわかる話
2026/6/2

この記事では、日本人の健康を脅かす「生活習慣病」について、その定義から歴史、注目される背景、そして主要な病気の種類まで、網羅的に解説しています。食生活の乱れや運動不足、ストレスといった主な原因とリスクファクターを深く理解することで、日々の生活習慣を見直すきっかけが得られます。生活習慣病は予防や改善が可能であり、正しい知識を持つことが健康な未来への第一歩です。
生活習慣病とは何か
生活習慣病とは、日々の生活習慣が深く関わり発症する病気の総称です。
生活習慣病の定義と歴史
生活習慣病は、食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒などの日々の生活習慣が、その発症や進行に深く関わる病気の総称です。かつては「成人病」と呼ばれていましたが、加齢だけでなく、個人の生活習慣が病気の原因であるという認識が広まりました。
1996年頃、厚生省(当時)が「成人病」という名称を「生活習慣病」へと変更を提唱し、予防の重要性を強調するようになりました。この名称変更には、病気が年齢に関わらず、生活習慣の改善によって予防や改善が可能であるという積極的な意味が込められています。
生活習慣病が注目される背景
生活習慣病が近年、社会的に注目される背景には、いくつかの要因があります。日本の急速な高齢化社会の進展に伴い、生活習慣病の罹患者数が増加していることが挙げられます。また、食生活の欧米化や運動不足、精神的なストレスの増大など、現代の生活習慣の変化も大きな影響を与えています。
かつては感染症が主な死亡原因でしたが、現在ではがん、心疾患、脳血管疾患といった生活習慣病が日本人の主要な死因の上位を占めます。これらの病気は自覚症状がないまま進行することが多く、健康寿命の延伸や医療費の増大といった社会的な課題としても、その対策が急務とされています。
日本における生活習慣病の疫学
日本では、食生活の欧米化や運動不足などにより、生活習慣病の有病者・予備群が増加傾向にあります。これは国民の健康寿命を脅かす大きな課題です。
年齢層別の生活習慣病の傾向
生活習慣病の有病率は、男女ともに年齢が高くなるにつれて増加する傾向にあります。特に、75歳以上の高齢者では高血圧性疾患の有病率が顕著に高まることが報告されています(※1)。しかし、生活習慣病のリスクは高齢期に限らず、がんのように40代から発症率が上昇する病気もあります。
生活習慣病の現状
生活習慣病は、日本人の死亡原因の約5割(※2)、医療費の約3割(※3)を占めるなど、国民の健康と医療経済に大きな影響を与えています。特に、がん、心疾患、脳血管疾患は「三大疾病」と呼ばれ、これらを合わせた死亡割合は全体の約半数に達しています。
糖尿病も予備群を含めると国民の約6人に1人(※1)が該当するとされ、その患者数は増加傾向にあります。 これらの病気は自覚症状がないまま進行することが多く、早期発見と生活習慣の改善による予防が不可欠です。
主要な生活習慣病
生活習慣病には様々な種類がありますが、ここでは特に多くの人が罹患し、健康に大きな影響を及ぼす代表的な病気について解説します。これらの病気は、互いに関連し合いながら進行することが多く、注意が必要です。

糖尿病
糖尿病は、血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が高い状態が慢性的に続く病気です。膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが十分にはたらかないために起こります。糖尿病にはいくつかの種類がありますが、生活習慣病として問題となるのは、インスリンの分泌量が減ったり、インスリンが効きにくくなったりすることで発症する「2型糖尿病」がほとんどです。
初期には自覚症状がほとんどないため、気づかないうちに進行してしまうことがあります。しかし、高血糖の状態が長く続くと、全身の血管や神経が傷つき、網膜症、腎症、神経障害といった合併症を引き起こします。さらに、動脈硬化を進行させる要因となります。
高血圧症
高血圧症は、血圧が正常範囲を超えて高い状態が続く病気です。最高血圧が140mmHg以上、または最低血圧が90mmHg以上の場合に高血圧と診断されます。
高血圧症も自覚症状に乏しいことが特徴で、「サイレントキラー(静かなる殺人者)」とも呼ばれます。血圧が高い状態が続くと、血管に常に大きな負担がかかり、血管の壁が厚く硬くなる動脈硬化を促進します。
脂質異常症
脂質異常症は、血液中のコレステロールや中性脂肪といった脂質のバランスが崩れた状態を指します。具体的には、悪玉とされるLDLコレステロールが高い、善玉とされるHDLコレステロールが低い、あるいは中性脂肪が高い状態のいずれか、または複数が当てはまる場合です。
この病気も自覚症状がほとんどなく、健康診断などで指摘されて初めて気づくことが多いです。脂質異常症が進行すると、血管の内側にコレステロールなどがたまり、動脈硬化を促進します。
肥満とメタボリックシンドローム
肥満は、体脂肪が過剰に蓄積した状態を指し、特にBMI(体格指数)が25以上の場合に肥満と判定されます。さらに、肥満の中でも内臓脂肪の蓄積が多い「内臓脂肪型肥満」は、生活習慣病と深く関連しています。
メタボリックシンドロームは、この内臓脂肪型肥満に加えて、高血糖、高血圧、脂質異常のうち2つ以上を合併している状態をいいます。個々の病気は軽度であっても、これらが複数重なることで、動脈硬化が急速に進行し、心筋梗塞や脳梗塞といった病気を発症するリスクが格段に高まることがわかっています。
脳卒中と心臓病
脳卒中や心臓病は、生活習慣病が原因となって引き起こされる代表的な病気です。脳卒中は、脳の血管が詰まったり(脳梗塞)、破れたり(脳出血、くも膜下出血)することで、脳の機能に障害が起こる病気の総称です。心臓病は、狭心症や心筋梗塞のように、心臓に血液を送る冠動脈が動脈硬化によって狭くなったり詰まったりする病気が多くを占めます。
これらは、高血圧症、脂質異常症、糖尿病といった他の生活習慣病が進行し、動脈硬化が重度になった結果として発症することがほとんどです。一度発症すると、後遺症が残ったり、命に関わったりすることもあるため、これらの基礎疾患の管理が非常に重要です。
がんとの関連性
がんは遺伝的要因だけでなく、生活習慣が発症リスクに大きく影響することが明らかになっています。例えば、肥満は大腸がん、乳がん、肝臓がんなど、複数のがんのリスクを高めるとされています。また、喫煙は肺がんをはじめとする多くのがんの原因となり、過度な飲酒も食道がんや肝臓がんのリスクを高めます。
このように、生活習慣病の予防は、がんの予防にもつながると考えられています。健康的な生活習慣を心がけることは、様々な病気から身を守る上で不可欠です。
生活習慣病の主な原因とリスクファクター
生活習慣病の原因は一つではなく、食生活の乱れ、運動不足、喫煙や飲酒、ストレス、睡眠不足など、さまざまな要因が複雑に絡み合って発症します。
食生活の乱れ
食生活の乱れは、生活習慣病の主要な原因の一つです。例えば、塩分の多い食事は高血圧を招き、糖分や脂質の過剰な摂取は肥満や糖尿病、脂質異常症のリスクを高めます。
運動不足
運動不足は、エネルギー消費量を減少させ、肥満、特に内臓脂肪型肥満を引き起こしやすくなります。 筋肉量の低下や基礎代謝の減少も招き、体脂肪が蓄積しやすい体質になります。
喫煙
喫煙は、肺がんだけでなく、心筋梗塞や脳卒中の危険性を高め、肺気腫などの呼吸器疾患を悪化させます。 タバコの煙に含まれる有害物質は、血管を収縮させて血圧を上昇させ、動脈硬化を促進します。 また、血小板が固まりやすくなることで血栓ができやすくなり、糖尿病の悪化やコレステロール値の上昇にも関与します。
飲酒
過度な飲酒は、肝臓に負担をかけ、脂肪肝や肝硬変の原因となるほか、膵臓がんのリスクも高めます。 また、高血圧や脂質異常症、糖尿病、高尿酸血症などを引き起こす要因にもなります。 適度な飲酒は心身のリラックスに役立つとされる一方で、飲み過ぎは様々な健康障害を招くため、節度ある飲酒を心がけることが重要です。
ストレス
精神的なストレスは、自律神経のバランスを乱し、交感神経を優位にすることで血圧の上昇や心臓への負担を増やすことがあります。 長期的なストレスは、生活習慣の乱れにもつながりやすく、結果として生活習慣病の発症や悪化を招く可能性があります。
睡眠不足
睡眠不足や睡眠の質の低下は、疲労回復を妨げるだけでなく、生活習慣病のリスクを高めます。 睡眠が不足すると、食欲を増進させるホルモンが増え、食欲を抑えるホルモンが減少するため、食べ過ぎや肥満につながりやすくなります。 また、インスリンのはたらきが悪くなり糖尿病の発症リスクが上昇したり、交感神経が優位な状態が続くことで高血圧を引き起こしたりすることもあります。
遺伝的要因
生活習慣病は、生活習慣が主な原因とされますが、遺伝的な要因も発症に深く関わっています。 親から子へ受け継がれる体質によって、特定の生活習慣病になりやすい人がいます。
ただし、遺伝的要因があるからといって必ずしも病気を発症するわけではありません。 遺伝的な体質を持つ人が、不適切な生活習慣を繰り返すことで病気が発症しやすくなるため、自身の体質を理解し、より一層生活習慣の改善に取り組むことが重要です。
まとめ
この記事を通じて、生活習慣病が私たちの健康に深く関わる身近な課題であることがご理解いただけたことでしょう。糖尿病、高血圧症、脂質異常症といった主要な病気は、食生活の乱れや運動不足、喫煙、飲酒、ストレスなど、日々の生活習慣が大きく影響しています。遺伝的要因も無視できませんが、多くは自身のライフスタイルを見直すことで予防や改善につながるはずです。健康的な未来のために、今日からできることを実践してみてはいかがでしょうか。
■参考資料
※1 厚生労働省 令和5年度国民健康・栄養調査報告
※2 厚生労働省 令和6年(2024)人口動態統計(確定数)の概況
※3 厚生労働省 令和6年度 国民医療費の概況

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