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動物性たんぱく質との賢い付き合い方

2026/6/30

著者:

ヨミサプ運営チーム(管理栄養士)

「動物性たんぱく質は体に悪い」「食べ過ぎると危険」といった情報に惑わされ、肉や魚、卵、乳製品などをどのようにとればよいか悩んでいませんか?私たちの体づくりに欠かせない動物性たんぱく質には、多くの誤解があります。この記事では、動物性たんぱく質の基本から、植物性たんぱく質との決定的な違いなど、賢い付き合い方について詳しくご紹介します。

動物性たんぱく質の基本と役割

重要な栄養素であるたんぱく質には、動物性と植物性の2種類があります。ここでは、特に動物性たんぱく質が体内でどのようにはたらき、植物性たんぱく質とどのような違いがあるのかを解説します。

体内ではたらく動物性たんぱく質

動物性たんぱく質は、肉、魚、卵、乳製品などの動物由来の食品に含まれるたんぱく質です。私たちの体は、約20種類のアミノ酸からたんぱく質を作り出しており、そのうち9種類は体内で合成できない「必須アミノ酸」と呼ばれています。動物性たんぱく質は、これらすべての必須アミノ酸をバランス良く含んでいるため、「良質なたんぱく質」や「完全たんぱく質」と評価されます。

体内でたんぱく質は、筋肉、皮膚、髪の毛、内臓などの組織を作る主要な材料となります。また、ホルモンや酵素、免疫物質の生成にも不可欠であり、体の機能維持や調整に多岐にわたる役割を担っています。 動物性たんぱく質は、消化吸収後のアミノ酸バランスが体の必要とするバランスに近いため、体内で効率的に利用されやすい特徴も持ち合わせています。

植物性たんぱく質との決定的な違い

動物性たんぱく質と植物性たんぱく質の最も大きな違いは、アミノ酸の構成と消化吸収率にあります。動物性たんぱく質が9種類の必須アミノ酸を全てバランス良く含んでいるのに対し、植物性たんぱく質は、種類によっては特定の必須アミノ酸が不足している場合があります。

また、動物性たんぱく質の消化吸収率は約90%以上と高い傾向にありますが、植物性たんぱく質は約70〜80%とやや低いとされています。 このため、体内で効率よくたんぱく質を利用するには、動物性たんぱく質が有利であると言えます。さらに、動物性食品には、たんぱく質だけでなく、ビタミンB12や鉄分、亜鉛など、植物性食品からはとりにくい栄養素も豊富に含まれていることが多いです。

よくある間違い 動物性たんぱく質摂取の落とし穴

動物性たんぱく質は私たちの体にとって重要ですが、そのとり方を間違えると、かえって健康を損ねる可能性があります。ここでは、多くの人が陥りがちな間違いを見ていきましょう。

動物性たんぱく質は体に悪いのか

動物性たんぱく質が体に悪いと一概に言うのは誤解です。肉や魚、卵、乳製品などに含まれる動物性たんぱく質は、私たちの体を作る上で欠かせない必須アミノ酸をバランス良く含んでいます。 特に、植物性たんぱく質だけでは不足しがちなアミノ酸を補給できる貴重な栄養源です。

 ただし、その種類や調理法によっては、飽和脂肪酸やコレステロールを多く含む場合もあります。 例えば、脂身の多い肉や加工肉のとり過ぎや、揚げ物など、調理油の使い過ぎは、健康に悪影響を及ぼす可能性が指摘されています。脂肪の少ない鶏むね肉などの部位や、飽和脂肪酸をほとんど含まない魚を選ぶことに加え、調理方法にも工夫を凝らすことが大切です。

食べ過ぎるとどうなるのか

どんなに体に良いものでも、食べ過ぎは禁物であり、動物性たんぱく質も例外ではありません。過剰に摂取し続けると、腎臓や肝臓に老廃物処理の負担がかかる可能性があり、特に腎機能が低下している人は注意が必要です。また、動物性たんぱく質源となる食品には脂肪を多く含むものも多く、とりすぎることでエネルギーオーバーや体重増加、生活習慣病のリスクにつながる恐れがあります。

さらに、加工肉や脂質の多い肉を中心に量を増やすと、飽和脂肪酸や塩分の過剰摂取となり、心血管系の健康への影響や、加工肉に含まれる成分による健康リスクも指摘されています。動物性たんぱく質の過剰摂取は、腸内環境の乱れや便秘、ガスの臭いが強くなる原因となることもあります。

健康な人であれば極端な量でなければ大きな問題になることは少ないとされていますが、量だけでなく質にも目を向け、良質な動物性たんぱく質を適量取り入れながら、全体としてバランスのとれた食事を心がけることが健康維持の鍵となります。

種類に偏りがある食生活

私たちの体は、動物性食品を通じて、たんぱく質だけでなく、脂質やビタミン、ミネラルなど多様な栄養素を同時に摂取しています。しかし、特定の肉ばかり食べたり、魚や卵、乳製品などを避けてしまったりすると、一部の栄養素が不足したり、逆に偏ってしまったりする可能性があります。

例えば、赤身肉には鉄分が豊富ですが、青魚にはDHAやEPAといった体内で作れない不飽和脂肪酸が多く含まれており、脳の機能維持や血液の健康に役立ちます。 卵はビタミンCと食物繊維以外のほとんどの栄養素を含む「ほぼ完全栄養食」とも呼ばれるほど多くの栄養素を含んでいます。

健康を維持するためには、牛肉、豚肉、鶏肉、魚介類、卵、乳製品など、幅広い種類の動物性たんぱく質をバランス良く食事にとり入れることが望ましいです。

動物性たんぱく質の真のメリット

動物性たんぱく質は、とり方に気をつける必要がある一方で、さまざまなメリットもあります。

効率的な筋肉作りと維持

動物性たんぱく質は、私たちの体で作り出せない9種類の必須アミノ酸をバランス良く含んでいます。特に、筋肉の合成を促すスイッチとなるロイシンをはじめとする分岐鎖アミノ酸(BCAA)が豊富です。これらのアミノ酸は、運動後の筋肉の修復や成長に効率良く使われます。また、動物性たんぱく質は、体たんぱく質の材料として使われやすいためトレーニング後の素早い栄養補給に適しており、筋肉量を増やす上で有利にはたらくと考えられています。

豊富な栄養素がとれる

動物性たんぱく質は、必須アミノ酸をすべて含む「良質なたんぱく質」であるだけでなく、動物性食品に含まれる体に必要なさまざまな栄養素を一緒に効率良く体にとり入れることができます。例えば、酸素の運搬に関わる鉄分(ヘム鉄)は植物性食品の鉄分よりも吸収率が高く、体の成長や免疫機能に不可欠な亜鉛も豊富です。さらに、エネルギー代謝を助けるビタミンB群、特に植物性食品からはほとんどとれないビタミンB12も多く含まれています。

満腹感とダイエット効果

動物性たんぱく質は、食後の満腹感を長く保ち、食べ過ぎを防ぐ効果が期待できます。これは、たんぱく質が消化に時間がかかり、食欲を抑えるホルモンの分泌を促すためです。また、たんぱく質をしっかりとることで筋肉量の維持や増加につながり、基礎代謝が上がって脂肪が燃えやすい体になります。ダイエット中に不足しがちな栄養を補いつつ、健康的に体重を管理する上で動物性たんぱく質は大きな味方となるでしょう。

まとめ

動物性たんぱく質は、誤解されがちな栄養素の一つ。しかし、筋肉の生成や維持、多様な栄養素の補給、満腹感によるダイエットサポートなど、私たちの健康に欠かせない役割を担っています。大切なのは、量だけでなく質にもこだわり、他の栄養素とバランス良く組み合わせることです。動物性たんぱく質との付き合い方を見直し、ご自身の健康的な食生活を実践してみてください。

この記事について

著者

ヨミサプ運営チーム(管理栄養士)

エームサービス株式会社に所属する管理栄養士で構成。給食・食の現場で培った知見をもとに、日々の食と健康に役立つ確かな情報をわかりやすく発信しています。

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