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# プラントベース

    世界で広がるプラントベースフード

      世界で広がるプラントベースフード

      2025.08.27

      近年、健康志向や環境意識の高まりとともに、「プラントベースフード(植物性食品)」への関心が急速に広がっています。日本でもスーパーや飲食店で見かける機会が増え、豆乳や大豆ミートなどを日常的に取り入れる人も増えてきました。

      とはいえ、日本ではまだ発展途上の分野。一方、世界ではすでにプラントベースフードが日常の食生活に浸透しており、市場規模も年々拡大しています。

      この記事では、プラントベースフードの市場拡大の背景や、世界と日本の動向について詳しく解説します。

      市場拡大の背景とは?

      プラントベースフードの市場が急成長した背景には、主に以下の2つの要因があります。

      1. 環境への配慮

      プラントベースフードが注目されるようになった大きな理由のひとつが、環境問題への関心の高まりです。動物性食品の生産には、大量の水や飼料、土地が必要であり、温室効果ガスの排出量も多く、地球環境への負荷が大きいとされています。

      そのため、持続可能な食生活を目指す動きが世界中で広がり、植物性食品へのシフトが進んでいます。

      2. エシカル消費の広がり

      もうひとつの市場拡大の要因として挙げられるのが、「エシカル消費」の広がりです。エシカル消費とは、社会や環境に配慮した消費行動のことで、食品ロスの削減やフェアトレード、動物福祉への配慮などが含まれます。

      近年では、食品ロスへの関心が高まり、これまで廃棄されていた規格外の農産物に注目が集まっています。見た目が不揃いという理由だけで市場に出回らなかった野菜や果物が、スムージーや野菜チップスなどに加工され、プラントベースな食品として多様な形で商品化されるようになりました。

      こうした取り組みは、環境への配慮という観点からも評価されており、特にエシカル消費が浸透している海外では積極的に受け入れられています。社会的な価値を重視する消費者の支持を得ることで、プラントベースフードの市場拡大をさらに後押ししているのです。

      世界のプラントベースフード事情

      アメリカ

      アメリカは、プラントベースフード市場が急成長している代表的な国です。植物性ミルクや乳製品、ミート代替品などが広く普及しています。

      近年では、大豆以外の豆類を使った「SOY FREE」製品の開発も進んでおり、選択肢がさらに広がっています。ココナッツミルクやライスミルクを使ったアイスクリーム、魚介類の代替品なども登場し、バラエティ豊かな商品が店頭に並んでいます。

      また、ニューヨークの公立小学校では週2回、プラントベースの給食を提供するなど、教育現場でも導入が進んでいます。大手ファストフードチェーンもプラントベースミートを取り入れるなど、外食でも手軽に楽しめる環境が整いつつあります。

      ヨーロッパ

      ヨーロッパは、もともとサステナビリティや健康意識が高い地域であり、プラントベースフードの市場も急速に拡大しています。

      中でもドイツは、ヨーロッパ最大級の市場を持ちます。ヴィーガンソーセージやシュニッツェルなど、伝統料理の代替品が人気で、スーパーには「ヴィーガン専用棚」が常設されているほどです。

      ベルリンなどの都市部ではヴィーガンレストランが急増し、大手ハンバーガーチェーンが期間限定でプラントベース専門店をオープンするなど、消費者の選択肢が広がっています。

      イギリスもまた、プラントベースフードの拡大が進む国のひとつで、ドイツに次ぐ規模。豆乳や大麦、ココナッツを使ったアイスクリームなどが人気で、スーパーやレストランでも対応が進んでいます。

      日本のプラントベースフード事情

      日本での現状は?

      このように、アメリカやヨーロッパではプラントベースフードは日常の選択肢として定着しつつあります。

      日本ではプラントベースフードの認知や喫食経験は徐々に広がりつつありますが、日常的な食習慣として定着するにはまだ課題が残っています。

      背景には、環境問題への意識が比較的低い傾向があることも影響していると考えられます。

      日本のプラントベース市場

      まだまだ世界には及びませんが、日本でもプラントベースフードの市場は徐々に拡大しています。2023年にELEMINISTが実施したアンケートによると、回答者全員が何らかのプラントベースフードを食べた経験があり、52.7%の人が日常的に取り入れていると回答しています(※1)。

      その成長の後押しとして、日本にはいくつかのプラントベースの認証団体があり、プラントベースの定着促進や、消費者の安心感を高める活動などを通じて、プラントベースの選択をより身近で可能なものにしています。

      代表的なのが「大豆ミート」。ひき肉や唐揚げ風など、食感や味を肉に近づけた商品が多く、家庭料理にも取り入れやすいのが特徴です。また、「豆乳」や「アーモンドミルク」などの植物性ミルクも人気で、コーヒーやスムージーに使う人が増えています。

      プラントベースと日本の食文化

      日本には、現代のプラントベースフードに通じる植物性食品中心の食文化が、古くから根付いています。その代表例が、仏教の教えに基づく「精進料理」です。精進料理は、殺生を避けるという思想から、肉や魚などの動物性食品を使わず、野菜、豆類、海藻、穀物などを中心に構成されています。

      この食文化は、単なる宗教的な戒律にとどまらず、素材の持ち味を活かす調理法や、季節感を大切にする姿勢など、日本人の繊細な食の美意識とも深く結びついています。たとえば、「がんもどき」は豆腐に野菜を混ぜて揚げた料理で、見た目や食感を肉に似せた工夫がされており、まさに現代のプラントベースミートの先駆けとも言える存在です。

      また、こんにゃくや湯葉、高野豆腐なども、動物性食品の代替として古くから活用されてきた食材です。これらは、現代のプラントベースフードと同様に、栄養価が高く、調理の工夫次第で多彩な料理に応用できる点でも注目されています。

      このように、日本にはすでに植物性食品を中心とした食文化の土壌があり、それを現代のライフスタイルに合わせて再解釈・再評価することで、プラントベースの普及にもつながる可能性があります。

      まとめ

      プラントベースフードは、環境への配慮やエシカル消費の広がりを背景に、世界中で市場が拡大しています。アメリカやヨーロッパではすでに日常生活に浸透しており、日本でも徐々に普及が進んでいます。

      健康や環境に配慮した食生活を目指すなら、まずは身近なプラントベースフードから取り入れてみるのがおすすめです。今後の市場の成長とともに、私たちの食の選択肢もますます広がっていくでしょう。

      ■参考資料
      ※1 ELEMINIST プラントベース食品に関するアンケート 2023

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