ヨミサプ~ヨム・ミル・サプリ~
バックナンバー
ヨミサプ~ヨム・ミル・サプリ~
TOP

>

糖尿病

>

朝ごはんを食べましょう 

# 糖尿病

  • # 糖尿病関連

糖尿病と朝食

  • # 糖尿病関連

朝ごはんを食べましょう 

2026/11/2

著者:

国立健康危機管理研究機構 国立国際医療センター

私たちは、体を健康に保つために「朝ごはんを食べましょう」という事をよく耳にします。忙しくて朝ごはんを食べられない日があるかもしれません。ですが、朝食は私たちの体にとって大切な役割を持っています。ここでは、その理由を科学的な視点からすこし掘り下げてみたいと思います。 

セカンドミール効果 ―朝食は、昼食後の血糖値の動きに影響します― 

朝ごはんを食べることは、 
・午前中のエネルギー補給 
に欠かせません。 

そして、もう一つ 
・昼食後の血糖の上がり方を穏やかにする 
ことにもつながることをご存じでしょうか。 

朝食をとると、体が食事に反応する準備が整い、次の食事である昼食をとったときにも、血糖を調節しやすくなります。このように、前の食事が次の食事の血糖に影響することを「セカンドミール効果」と呼びます(※1)。 

朝食を抜くと、糖尿病のない方でも昼食後の血糖値が上がりやすくなります 

健康な若い男性(19-24歳、9名)を対象とした研究で、朝食を食べた日と朝食を抜いた日で全く同じ食事をとり、血糖値やホルモンの動きを調べました(※2)。その結果、朝食を抜いた日は、朝食を食べた日よりも昼食後の血糖上昇が有意に大きくなりました。また、朝食を抜いた場合には、血液中の遊離脂肪酸が有意に高くなり、遊離脂肪酸が高くなるほど、昼食後の血糖上昇が大きいという関連が認められました。 

参考:Ogata H et al. Br J Nutr. 2019 Aug 28;122(4):431-440.を改編 

 

朝食をとらない時の昼食後の血糖上昇を表した図です。 

横軸は時間、縦軸は血糖値(mg/dl)を示します。朝食をとった場合(緑線)と朝食をとらない場合(赤線)の血糖推移を比べています。朝食をとらない場合(赤線)、昼食後の有意な血糖上昇を認めます。 

2型糖尿病のある人も同様に、朝食を抜くと、昼食後の高血糖を認めることが示されています(※3)。  

これらの研究の結果、朝食をとることで、その後のインスリンのはたらきや遊離脂肪酸などの代謝環境が変化し、体が次の食事に対応しやすい状態になることが示されています。 

なぜ遊離脂肪酸が関係するのでしょうか 

遊離脂肪酸は、脂肪組織に蓄えられた脂肪が分解されて血液中に放出されるものです。食事をとれない時間には、私たちの体を支える重要なエネルギー源になります。一方で、遊離脂肪酸が高い状態では、筋肉などでインスリンのシグナルが伝わりにくくなり、インスリンによるブドウ糖の取り込みが低下することが知られています。つまり、インスリンが分泌されていても、そのはたらきが十分に発揮されにくい「インスリン抵抗性」の状態になります(※4)。このはたらきは、絶食時に脂肪をエネルギー源として利用する生理的な仕組みの一つでもあります。しかし、毎日朝食をとらない状態は、糖代謝にとって好ましいことではありません。 

約10万人を長期間にわたって追跡した複数の研究をまとめて分析したところ、朝食を抜く習慣のある人は、朝食をとる人に比べて、2型糖尿病を発症するリスクが約3割高いことが報告されています(※5)。ただし、これは朝食を抜くことが糖尿病の直接の原因であることを示すものではありません。体重や食事、運動など、さまざまな要因が関係している可能性があります。 

おわりに 

朝食は単に「朝のエネルギーを補給する食事」というだけではありません。朝食をとることが、昼食後の血糖を含め、その後の体の代謝反応にも影響します。 

今回は、朝食が大事な食事である理由の一つとして「セカンドミールエフェクト」をご紹介させていただきました。 

皆様、おいしい朝食を召し上がってください。 

●参考資料 
※1 Jovanovic A et al. The Second-Meal Phenomenon in Type 2 Diabetes. Diabetes Care 2009;32(7):1199–1201. 
※2 Ogata H et al. Association between breakfast skipping and postprandial hyperglycaemia after lunch in healthy young individuals. Br J Nutr. 2019 Aug 28;122(4):431-440. 
※3 Jakubowicz D et al. Fasting Until Noon Triggers Increased Postprandial Hyperglycemia and Impaired Insulin Response After Lunch and Dinner in Individuals With Type 2 Diabetes: A Randomized Clinical Trial. Diabetes Care 2015;38(10):1820–1826 
※4 Dresner A et al. Effects of Free Fatty Acids on Glucose Transport and IRS-1-Associated Phosphatidylinositol 3-Kinase Activity.  J Clin Invest. 1999; 103:253-259 
※5 Ballon A et al. Breakfast Skipping Is Associated with Increased Risk of Type 2 Diabetes among Adults: A Systematic Review and Meta-Analysis of Prospective Cohort Studies.  J Nutr. 2019;149:106–113

この記事について

著者

国立健康危機管理研究機構 国立国際医療センター

TOP

Back Number