# 栄養素
# 糖尿病関連
クロム
# 糖尿病関連
栄養素の代謝に関わるミネラル「クロム」
著者:
ヨミサプ運営チーム(管理栄養士)

この記事では、ミネラルのひとつであるクロムについて、ご紹介します。
クロムとは

私たちの体に必要なミネラルのひとつに、クロムという成分があります。体全体から見るとごくわずかな量しか存在していませんが、健康を維持するうえで欠かせない大切な役割を担っています。
クロムは18世紀末の1797年、フランスの化学者ルイ・ニコラ・ヴォークランによって発見されました。シベリアで産出される鉱物「紅鉛鉱(こうえんこう)」を分析する過程で見つかった元素です。クロムという名前は、ギリシャ語で「色」を意味する「chroma(クローマ)」に由来しています。化合物によって赤や黄、緑などさまざまな色を示すことから名付けられ、発見当初は顔料やめっき材料として利用されていました。
自然界にはさまざまな形のものがありますが、食事を通して体に入るクロムは、主に三価クロムと呼ばれる安全性の高い状態のものです。日々の暮らしの中で、知らず知らずのうちに自然にとり入れている身近な栄養素の仲間といえます。
クロムのはたらき
クロムは、私たちの体の中でどのような役割を果たしているのでしょうか。このミネラルは、主に糖質や脂質の代謝をサポートする大切なはたらきを担っています。
つまり、日々の食事からとった栄養素を効率よくエネルギーに変えるために、クロムは欠かせない存在といえます。
また、血糖値を調節するホルモンであるインスリンの作用との関係が研究されていますが、詳しい仕組みについては十分に解明されていない部分もあります。薬理量の三価クロムを投与した際に、耐糖能異常などの改善が認められることがありますが、糖代謝改善の機構についてはまだはっきりと分かっていません。
クロムはどれくらい必要?
クロムの必要量は、日本人の食事摂取基準(2025年版)では、以下のように1日当たりの目安量と耐容上限量が定められています。
目安量
男女(18歳以上):10μg
耐容上限量
男女(18歳以上):500μg
クロムの不足ととり過ぎについて
クロムが不足すると
クロムは、通常の食生活を送っていれば不足することはまずありません。ただし、病気などで口から食事がとれず、長期間にわたってクロムを全く含まない完全静脈栄養や、高エネルギー輸液などの特別な栄養管理を受けているような場合には不足することがあります。
毎日の食事で多様な食材をバランスよく味わうことが、健やかな状態を保つ秘訣です。
クロムをとり過ぎると
通常の食生活において、食品からクロムをとり過ぎて健康を害することは基本的にありません。通常の食べ物に含まれるのは安全な三価クロムと呼ばれる形態で、吸収率も低いです。
ただし、サプリメントなどを利用して必要以上に大量にとり続けた場合には、インスリン感受性を低下させる可能性があり、体に負担がかかることがあります。健康補助食品などを活用する際は、パッケージに記載された目安量を守り、過剰にならないよう心がけることが大切です。
クロムを含む代表的な食品
大豆製品・肉類・魚介類……など
特定の食品だけを意識してとる必要はなく、主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を続けることが、クロムを含むさまざまな栄養素を適切にとることにつながります。
まとめ
クロムは健康を支えるミネラルです。通常の食生活では不足することはほとんどなく、さまざまな食品から自然に摂取できます。糖質や脂質、たんぱく質の代謝に関わるため、日頃からバランスのよい食事を心がけることが健康維持につながります。
■参考資料
厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2025年版)
文部科学省 日本食品標準成分表(2020年)八訂
この記事について
著者

ヨミサプ運営チーム(管理栄養士)
エームサービス株式会社に所属する管理栄養士で構成。給食・食の現場で培った知見をもとに、日々の食と健康に役立つ確かな情報をわかりやすく発信しています。
→ ヨミサプの編集方針について



