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ピぺリン
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冷え性の改善に役立つ!?「ピペリン」の話
2025.12.03

「ピペリン」という成分について聞いたことはありますか?近年、この成分が私たちの健康にプラスのはたらきをもたらす可能性があるとして注目されています。この記事では「ピペリン」についてご紹介します。
ピペリンとは?

ピペリンは、1819年、デンマークの科学者によって発見され、こしょうやヒハツなどのこしょう科の植物に含まれる辛味成分です。ヒハツは別名「ロングペッパー」とも呼ばれる香り豊かなスパイスで、インドや東南アジアを原産とし、沖縄では「島こしょう」という名称で親しまれています。
また、ピペリンはコーヒーやお茶に含まれるカフェイン、タバコに含まれるニコチンと同じアルカロイドの一種です。アルカロイドは植物が外敵(昆虫や動物など)から身を守るために作り出す成分で、ピペリンの辛味もその防御の一部と考えられています。
ピペリンをとるとどんな良いことがあるの?
注目は「冷え性の改善効果」
ピペリンの持つ有名な生理作用は、冷え性の改善効果です。この成分には血管を拡張し、末端の血流を促すことで体を温めるはたらきがあると考えられています。
その仕組みは、ピペリンは交感神経を刺激し、一酸化窒素の産生を促進します。一酸化窒素は血管の筋肉を緩め、血管を広げることで血流を改善させます。血液が手足の末端までしっかり届くことで、皮膚温度が上昇し、冷え性の改善へつながるというわけです。
さらに、ピペリンにはカプサイシンに似た体内での熱産生作用もあり、体内でエネルギー代謝を高めることで、体を温める効果もあります。
むくみの軽減にも期待
ピペリンにはリンパ管新生(リンパ管の形成)を促進する作用があることも研究で分かってきました。この研究では、ヒハツ抽出物およびピペリンがリンパの流れをよくし、細胞のはたらきを活発にするスイッチを押すことでリンパ管を作るのを助けることが分かりました。この作用により、リンパ機能の低下によるむくみを軽減する可能性が示されました。また、血管やリンパ管を安定させる物質にも関係していることから、血流やリンパの流れをスムーズにすることで健康面や美容面でもよい効果が期待されています(※1)。
ピペリンはどのくらいとったら良い?
ピペリンはどれくらいとったら良いかは定められていませんが、90~120μgをとったときに効果が期待できたという研究結果が報告されています。また、ヒハツ由来のピペリン類が含まれている機能性表示食品も複数あり、それらも同量くらいが多いようです。実はこの量は、とても少量なのです。例えば、黒こしょう一振り(約0.05g)には約2.5~4.5㎎のピペリンが含まれていると考えられます。
とり過ぎるとどうなる
ピペリンはスパイス由来の刺激のある辛味成分のため、辛いものが苦手な方、胃腸が弱い方は要注意。また、辛いものが好きだからといってとり過ぎはよくありません。一度に多くとったからといって効果が高まるわけではないのです。
さらに、薬との相互作用の懸念も考えられることから、服薬中の方は医師に相談するようにしましょう。
●ピペリンを含む代表的な食品
こしょう(ホワイトペッパー、ブラックペッパー)、ピンクペッパー、ヒハツ(ロングペッパー)……など
辛い料理が好きな方が黒こしょうを料理に少し多めに使うのはおすすめ。辛い料理が苦手な方は、機能性表示食品やサプリメントから始めてみるのも良いかもしれません。
ヒハツはこしょうと同じように料理に使用することができます。シナモンのように温かい飲み物に一振り加えるのも手軽で、スパイシーな香りも感じられておすすめです。
ピペリンのチカラで毎日の健康をサポート
ピペリンは、血流をスムーズにしたり、リンパの流れを整えてむくみを軽減したりと、私たちの体にうれしいはたらきを持つ成分です。普段の食事にこしょうやヒハツを取り入れるだけで、手軽にピペリンをとることができます。毎日のちょっとした工夫で、健康的な体作りを応援してくれるスパイスとして、ぜひ活用してみてください。
■参考資料
※1 Masakazu Ishii et al.Piper retrofractum extract and its component piperine promote lymphangiogenesis via an AKT-and ERK-dependent mechanism.J Food Biochem49:1-13,2022.





