ヨミサプ~ヨム・ミル・サプリ~
バックナンバー
ヨミサプ~ヨム・ミル・サプリ~

# 栄養素

  • # 冷え性関連

パントテン酸

  • # 冷え性関連

代謝の助っ人!パントテン酸

2025.12.03

あまり知られていないけれど、体の中では大活躍しているパントテン酸をご紹介します。

パントテン酸はビタミンB群のひとつ

パントテン酸は、エネルギー代謝に欠かせないビタミンB群のひとつです。ビタミンB群にはそれぞれ化学名があり、たとえばビタミンB1は「チアミン」と呼ばれます。同様に、ビタミンB5の化学名が「パントテン酸」であり、栄養学の分野ではこの名称が広く使われています。

パントテン酸の名前は、ギリシャ語の 「pantothen = どこにでもある」に由来しています。この語源が示す通り、パントテン酸は動物性、植物性問わずあらゆる食品に広く含まれているため、私たちの健康を支える“縁の下の力持ち”のような存在です。

パントテン酸のはたらき

酵素のはたらきを助ける「補酵素=コエンザイム」

パントテン酸が体内でどのようにはたらくかを理解するには、「酵素」と「補酵素(コエンザイム)」の関係を知ることが大切です。

私たちの体は、食べたものからエネルギーをつくり出すために、日々さまざまな化学反応を行っています。これがいわゆる代謝ですが、その反応をスムーズに進めるために欠かせないのが酵素、その酵素のはたらきを助けるのが補酵素(コエンザイム)です。

「補酵素」という言葉は、あまり耳馴染みがないかもしれませんが、「コエンザイムQ10」などの名前を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。このコエンザイムは、日本語で補酵素を意味し、酵素の働きを助ける小さな分子のことです。

健康を支えるパントテン酸

パントテン酸は、コエンザイムA(CoA)という補酵素の構成成分として、糖質、脂質、たんぱく質といった3大栄養素の代謝に深く関わり、エネルギー産生に欠かせない役割を担っています。

その他、抗ストレス作用を持つホルモン、神経伝達物質、免疫抗体などの合成、皮膚や粘膜の健康維持にも関与しています。

代謝が悪くなる、ホルモンバランスが乱れる、免疫機能が低下する――こうした状態は、身体のさまざまな不調につながります。それらに関わるパントテン酸は、健康を支える重要なビタミンであるといえます。

パントテン酸はどれくらい必要?

パントテン酸の必要量は、日本人の食事摂取基準(2025年版)では、以下のように1日当たりの目安量が定められています。

目安量

男性(18歳以上):6㎎

女性(18歳以上):5㎎

パントテン酸の不足ととり過ぎについて

パントテン酸が不足すると

パントテン酸は食品に広く含まれているため、一般的な食生活で欠乏することはほとんどありません。しかし、食事がほとんどとれない状態が続いたりすると、頭痛、疲労、不眠、手足のしびれや知覚異常がみられることが報告されています。これは、パントテン酸の不足により、エネルギー代謝が滞ってしまったり、体に必要な物質がうまく作られなかったりすることが要因として考えられます。1日1食しか食べない、プロテインなどのサプリメントのみで済ませる、というような食生活を送っている人は、パントテン酸が不足する可能性もゼロではないため注意が必要です。

パントテン酸をとり過ぎると

パントテン酸はどこにでも存在していますが、1つの食品に極端に含まれていることが少なく、通常の食品100g当たりのパントテン酸含量が5㎎を超えるものは、肝臓(レバー)を除き存在しません。また、水溶性ビタミンであるパントテン酸は、過剰に摂取しても尿から排出されるため、通常の食事では過剰症の心配はほとんどないとされています。

パントテン酸を含む代表的な食品

食品全般(ただし、でんぷん加工品や精製された粉類などにはほとんど含まれていません。)

パントテン酸は、缶詰や冷凍食品、精製食品などの加工過程で分解されやすい性質があります。そのため、できるだけ加工度の低い食品を選び、シンプルな調理法を心がけることで、効率よくとることができます。

まとめ

パントテン酸は、体内のエネルギー代謝をはじめ、ホルモンや免疫、皮膚の健康など、さまざまな機能に関わる重要なビタミンです。「どこにでもある」という名前の通り多くの食品に含まれているため、日々の食事から自然にとることができます。加工食品に偏らず、バランスの良い食生活を心がけることで、パントテン酸を効率よく取り入れ、健康づくりに役立てましょう。

■参考資料
厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2025年版)
部科学省 日本食品標準成分表(2020年)八訂
中村丁次監修,栄養の基本がわかる図解辞典,成美堂出版, 2010

TOP

Back Number