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未病 女性のやせ
女性の「やせ」に潜む未病のサインとは?
2026/4/28

この記事では、女性の「やせ」に潜む「未病」のサインと、その先に待つ健康リスクについて解説します。体重が軽いからといって、必ずしも健康的とは限りません。実は体内のエネルギーや栄養が不足し、将来の不妊や骨粗しょう症につながる危険な状態である可能性もあります。常に感じる疲労や肌トラブル、月経の乱れなど、ご自身の体が出しているサインを見逃さないための知識をお伝えします。
その「やせ」は危険かも?女性に訪れる健康リスク
スリムな体型への憧れから、無理な食事制限やダイエットをしていませんか。行き過ぎた「やせ」は、将来の健康を脅かすさまざまなリスクを招く可能性があります。見た目の問題だけでなく、体の中から不調が始まっている「未病」の状態かもしれないのです。
未病につながるエネルギー不足と機能低下
「未病」とは、病気と診断されるほどではないものの、健康な状態から離れつつある心身の不調を指します。やせすぎは、まさにこの未病の状態を引き起こす要因の一つです。
私たちの体は、食事からとるエネルギーを使って心臓を動かしたり、体温を保ったりと、生命を維持しています。しかし、やせすぎでエネルギーが不足すると、体はエネルギー消費を抑えようとして、さまざまな機能が低下します。 例えば、基礎代謝が落ちて体温が低くなり、冷え性になったり、疲れやすくなったりします。 これは、体が生きるために必要最低限の活動を優先している結果なのです。
気分が落ち込みやすいといった症状は、体が発しているサインかもしれません。 これらは栄養不足によって引き起こされることがあり、放置すると本格的な病気につながる恐れがあります。
若い女性に増えている「やせ」の問題
現代の日本では、特に20代の女性の約2割が「やせ(低体重)」の状態にあるとされ、これは他の先進国と比較しても突出して高い割合です。 「やせている方が美しい」という価値観が広まる一方で、低体重がもたらす健康への悪影響についてはあまり知られていません。やせる必要がないにも関わらず、偏った食生活やダイエットを繰り返すことで、気づかないうちに深刻な健康リスクを抱え込んでしまう女性が増えています。
将来の不妊につながる可能性
極端な食事制限などによる「やせ」は、女性ホルモンのバランスを乱す大きな原因となります。 体が必要なエネルギーを得られないと、生命維持に直接関係のない機能からはたらきが抑制されていきます。 その結果、月経不順や無月経を引き起こし、排卵が正常に行われなくなることがあります。 この状態が続くと、将来子どもを望んだときに妊娠しにくい体質、つまり不妊につながる可能性が高まります。
骨粗しょう症のリスク増大
骨の健康は、高齢者だけの問題ではありません。骨の量は20歳頃にピークを迎えるため、若い時期の栄養状態が非常に重要です。 やせすぎによってカルシウムなどの栄養が不足したり、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が減少したりすると、骨密度が低下します。 エストロゲンには骨の破壊を防ぐはたらきがあるため、このホルモンが減ることで骨がもろくなり、若いうちから骨粗しょう症になるリスクが高まってしまうのです。詳しくは骨の健康の記事で紹介しています。
骨の健康の記事をヨム
免疫力の低下と感染症
栄養不足は、体の防御システムである免疫機能にも影響を及ぼします。 特に、免疫細胞を作るために不可欠なたんぱく質や、そのはたらきを助けるビタミン・ミネラルが不足すると、免疫力が低下してしまいます。 その結果、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなったり、一度かかると治りにくくなったりする可能性があります。
見逃さないで!女性の「やせ」が発する未病のサイン
体重が少ないこと自体が問題なのではなく、それに伴う心身の不調こそが、見過ごしてはならない未病のサインです。自分では気づきにくい体の変化を正しく理解し、健康的な毎日を送るためのヒントにしましょう。

こんな症状は要注意
無理なダイエットや食生活の乱れからくる栄養不足は、体に様々なサインとなってあらわれます。以下のような症状に心当たりがないか、ご自身の体調を振り返ってみましょう。これらは、体が発しているSOSかもしれません。
●常に感じる疲労とだるさ
十分な睡眠をとっているはずなのに、朝から体が重く、日中も強い疲労感やだるさが続くことはありませんか。これは、活動のエネルギー源となる栄養素が不足しているサインかもしれません。特に、体を動かすエネルギーとなる炭水化物や、酸素を全身に運ぶヘモグロビンの材料である鉄分が足りないと、少し動いただけでも息切れしたり、疲れやすさを感じたりします。
●続く肌トラブルと髪のパサつき
新しい肌や髪をつくるためには、たんぱく質やビタミン・ミネラルといった栄養素が不可欠です。栄養が不足すると、肌のターンオーバーが乱れて乾燥やニキビなどの肌トラブルが起きやすくなります。 また、髪に十分な栄養が届かず、ツヤが失われてパサついたり、抜け毛が増えたりすることもあります。
●乱れる月経と重いPMS
極端な食事制限などによる急激な体重や体脂肪率の減少は、女性ホルモンのバランスを乱す大きな原因です。 その結果、生理周期が長くなる稀発月経や、3ヶ月以上月経が来ない無月経を招くことがあります。 また、月経前にイライラや体調不良が起こる月経前症候群(PMS)の症状が、以前より重く感じるようになることもあります。
BMIだけではわからない隠れ栄養失調
BMIは、体重と身長の関係から「やせすぎ」や「肥満」の程度を簡単に評価できる指標で、健康状態を把握するための基本的な目安になります。数値が低すぎても高すぎても、生活習慣病や体調不良のリスクが高まることが知られています。
BMI
[体重(kg)]÷[身長(m)]÷[身長(m)]
厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2025年版)では、総死亡率が最も低くなると考えられるBMIの範囲として、
・18〜49歳:18.5〜24.9
・50〜64歳:20.0〜24.9
が示されています。
BMIが標準範囲内(18.5以上25未満)であっても、安心はできません。 見た目はやせすぎていない場合でも、実際には体内の筋肉量が少なく、特定の栄養素が慢性的に不足している「隠れ栄養失調」の状態にある女性が増えています。特にたんぱく質や鉄・ビタミンなどが不足しがちで、これが原因で様々な不調を引き起こしている可能性があります。 自分の食生活を一度見直し、バランスよく栄養がとれているか確認することが大切です。
まとめ
女性の「やせ」は、将来の不妊や骨粗しょう症といった深刻な健康リスクにつながる未病の状態といえるでしょう。その背景には、エネルギー不足による体の機能低下や、BMIの数値だけでは見えない隠れ栄養失調があります。常に感じる疲労感や肌トラブル・月経の乱れは、体からの重要なサインです。ご自身の体と向き合い、日々の生活習慣を見直すことから実践してみてはいかがでしょうか。
■参考資料
厚生労働省 令和5年度国民健康・栄養調査報告

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