ヨミサプ~ヨム・ミル・サプリ~
バックナンバー
ヨミサプ~ヨム・ミル・サプリ~

# 未病

    未病 高血圧

      血圧高めは未病かも?

      2026/4/28

      健康診断の結果を見て、「血圧が少し高め」という指摘にドキッとした方も多いでしょう。まだ病気と診断されたわけではないこの状態は、いわゆる「未病」の段階かもしれません。この記事では、なぜ未病段階の高血圧を見過ごしてはいけないのか、その理由を解説します。

      未病と高血圧の関係

      血圧が高めの状態は、まさにこの未病の典型であり、将来の健康を左右する重要なサインといえるでしょう。

      未病段階の高血圧を見過ごしてはいけない理由

      血圧は、診察室での測定で140/90mmHg以上、家庭での測定で135/85mmHg以上の場合に高血圧症と診断されます。 しかし、正常範囲の120/80mmHgと高血圧の間の「正常高値血圧」や「高値血圧」と呼ばれる段階から注意が必要です。 この未病の段階を放置すると、血管に常に負担がかかり、動脈硬化が静かに進行していきます。動脈硬化は、将来的に脳卒中や心筋梗塞・腎臓病といった命に関わる重大な病気を引き起こす大きな原因となります。 自覚症状がないからと放置せず、血圧が高めであるとわかった時点から対策を始めることが、健康に過ごすために非常に重要です。

      健康診断で指摘されたら要注意

      健康診断で血圧について「要観察」や「再検査」といった指摘を受けた場合、それは体からの大切な警告です。 症状がないからと軽視せず、まずはご自身の血圧の状態を正確に把握するために、家庭で血圧を測る習慣をつけましょう。 病院で測定すると緊張して血圧が上がってしまう「白衣高血圧」の方もいれば、逆に診察室では正常でも家庭では高い「仮面高血圧」の方もいるため、普段の血圧を知ることが大切です。 健康診断での指摘は、ご自身の生活習慣を見直す絶好の機会ととらえましょう。

      高血圧と診断される世代

      高血圧はかつて高齢者の病気というイメージがありましたが、現在では30代や40代といった働き盛りの世代にも増えています。 国民健康・栄養調査によると、特に男性では40代で約2割が高血圧に該当するというデータもあります。 この世代は仕事のストレス・外食中心の食生活による塩分のとり過ぎ・運動不足など、血圧を上げる要因に囲まれがちです。 日本の高血圧患者は約4,300万人にのぼると推定されており、もはや誰にとっても他人事ではありません。 年齢に関わらず、ご自身の血圧に関心を持つことが重要です。

      食事の見直しで血圧を下げる

      血圧が高めの方がまず取り組むべきなのは、毎日の食事を見直すことです。塩分を控えることはもちろん、血圧を下げる効果が期待できる栄養素を積極的にとり、バランスのよい食事を心がけることが大切です。無理なく続けられる具体的な方法をご紹介します。

      減塩の具体的なコツ

      食塩に含まれるナトリウムをとり過ぎると、体は濃度を一定に保とうとして水分を溜め込み、結果として血液量が増えて血圧が上昇します。 そのため、高血圧対策の基本は減塩です。日本高血圧学会は1日6g未満の食塩摂取量を推奨していますが、まずは今より少し減らすことから始めてみましょう。 例えば、麺類の汁は味わう程度で残したり、しょうゆやソースは料理にかけるのではなく小皿に入れてつけたりするだけでも、減塩につながります。 また、こしょうなどの香辛料、しそや生姜といった香味野菜、お酢やレモン汁などの酸味を上手に使うと、薄味でも料理の風味が増し、おいしく感じられます。 加工食品や外食は塩分が多い傾向にあるため、栄養成分表示を確認する習慣も大切です。

      カリウム豊富な食材のとり入れ方

      カリウムは、体内の余分なナトリウムを体の外へ出すのを助けてくれる栄養素です。 野菜や果物に多く含まれており、特にほうれん草やこまつ菜などの葉物野菜、いも類、バナナ・キウイフルーツなどはカリウムが豊富です。 海藻類のわかめやひじき、大豆製品の納豆なども日々の食事にとり入れやすいでしょう。 カリウムは水に溶けやすい性質があるため、生で食べられる果物やサラダ、または煮汁ごと食べられるスープや味噌汁などでとるのが効率的です。 ただし、腎臓に病気がある方はカリウムの制限が必要な場合があるため、食事療法を始める前に医師に相談するようにしましょう。カリウムについて、詳しくはモアサプで紹介しています。
      カリウムの記事をヨム

      DASH食の考え方

      DASH食(ダッシュしょく)とは、高血圧を予防・改善するためにアメリカで考案された食事法です。 野菜や果物・低脂肪の乳製品を積極的にとり、魚や皮を取り除いた鶏肉などを中心とします。 これにより、血圧を下げる効果が期待されるカリウム・カルシウム・マグネシウムといったミネラルや食物繊維を十分に確保できます。 一方で、飽和脂肪酸やコレステロールを多く含む脂身の多い肉や、お菓子や砂糖入りの飲料は控えるのが特徴です。 これは特定の食品だけを食べるのではなく、様々な食品をバランス良く組み合わせる考え方であり、日本の食生活にも応用しやすいでしょう。 減塩とDASH食を組み合わせることで、より高い血圧低下の効果が報告されています。

      運動習慣で未病の高血圧を改善

      血圧が高めの未病段階では、食事の見直しと並行して運動習慣を身につけることが大切です。運動には血管を広げて血圧を下げる効果や、体重管理・ストレス軽減といった多くの利点があります。 未病の段階から運動を始めることで、本格的な高血圧への移行を防ぎ、健康な体を維持することが期待できるでしょう。

      毎日続けられる有酸素運動

      血圧を下げるためには、有酸素運動が特に効果的です。 有酸素運動は、体内に酸素を取り込みながら行う比較的軽い運動で、血管の柔軟性を高め、心臓や肺のはたらきを良くする作用があります。 代表的なものに、ウォーキング・軽いジョギング・サイクリング・水泳などがあります。 大切なのは、無理なく毎日続けられることです。厚生労働省は、1日30分以上、「ややきつい」と感じるくらいの強度の運動を推奨しています。 まとまった時間がとれない場合は、10分程度の運動を数回に分けて行っても同様の効果が期待できます。 例えば、一駅手前で降りて歩く・エレベーターではなく階段を使うなど、日常生活の中に運動を組み込む工夫から始めてみましょう。

      筋力トレーニングの重要性

      有酸素運動に加えて、筋力トレーニングを組み合わせることで、さらに血圧改善の効果が期待できます。 筋肉量が増えると基礎代謝が上がり、血圧を安定させやすくなるからです。 ただし、高血圧の人が筋力トレーニングを行う際には注意が必要です。息を止めて強く力を入れるような運動は、血圧を急上昇させる危険があるため避けなければなりません。 おすすめなのは、スクワットやダンベル体操など、比較的軽い負荷で行えるトレーニングです。 息を止めず、自然な呼吸を意識しながら、少ない回数から始めてみましょう。有酸素運動と筋力トレーニングをバランス良く行うことが、未病の高血圧を改善する鍵となります。

      継続するためのポイント

      食事の見直しや運動習慣は、始めても続けるのが難しいものです。しかし、血圧の管理において最も大切なのは継続すること。ここでは、モチベーションを保ち、生活改善を長く続けるためのポイントを紹介します。

      モチベーションを維持する方法

      まずは、毎日の血圧や体重を記録することから始めましょう。スマートフォンのアプリや血圧手帳などを活用して数値を可視化すると、小さな変化にも気づきやすく、改善が実感できると励みになります。 また、いきなり高い目標を立てるのではなく、「まずは1日10分多く歩く」「夕食の汁物は半分残す」といった達成しやすい小さな目標を設定することが大切です。 目標をクリアできたら、ご褒美を自分に用意するのも良いでしょう。

      ストレス管理と質の良い睡眠

      精神的なストレスは交感神経を活発にし、血圧を上昇させる要因の1つです。 趣味に没頭する時間を作ったり、軽い運動で気分転換をしたりと、自分に合ったリラックス方法を見つけましょう。 また、質の良い睡眠も血圧の安定には欠かせません。睡眠不足は血圧を上昇させるリスクを高めることが知られています。 毎日決まった時間に就寝・起床を心がけ、規則正しい生活リズムを整えることが重要です。寝る前のスマートフォン操作は避け、リラックスできる環境を整えましょう。質の良い睡眠をとることは、心身の健康を保つ上で非常に大切です。

      まとめ

      健康診断などで指摘される血圧が高めの状態は、本格的な病気に至る前の「未病」のサインと捉えることができるでしょう。この段階で食事の見直しや運動習慣を取り入れることは、将来の心臓病や脳卒中といった重大な病気を防ぐ上で非常に重要です。食事では減塩を基本に、運動では無理のない有酸素運動から始めるなど、生活習慣の改善は継続することが何よりも大切になります。まずはご自身の体と向き合い、できることから実践してみてはいかがでしょうか。

      また、高血圧は別の記事でも紹介していますので、併せて読んでみてください。
      高血圧の記事をヨム

      ■参考資料
      厚生労働省 令和5年度国民健康・栄養調査報告
      日本高血圧学会 高血圧管理・治療ガイドライン2025

      この記事は、医療健康情報を含むコンテンツを専門医がオンライン上で監修する「メディコレWEB」の認証を受けています。

      TOP

      Back Number