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# 骨の健康

    骨粗しょう症

      骨粗しょう症になりやすい人の特徴とは?

      2026.03.11

      この記事では、骨や骨密度の変化と骨粗しょう症の関係を整理しながら、骨粗しょう症になりやすい人の特徴を、生活習慣や体型・体力の面からわかりやすく解説します。将来、寝たきり状態になりたくない・いつまでも自分の足で元気に歩きたい、という方はご参考にしてください。

      骨粗しょう症とは何かを正しく理解する

      ここでは骨粗しょう症について、定義などの基本情報を紹介します。

      骨粗しょう症の基本的な定義

      骨粗しょう症とは、骨の量(骨量)が減るだけでなく、骨の微細な構造がもろく変化し、その結果として骨折しやすくなった状態を指す病気です。世界保健機関(WHO)でも、全身の骨が低骨量と骨組織の質的な低下を伴って脆弱になり、骨折リスクが高まった「骨格の疾患」と定義されています。

      また、骨粗しょう症は、閉経後の女性や高齢者に多い「原発性骨粗しょう症」が大部分を占めますが、ステロイド薬の長期内服・内分泌疾患・消化器疾患・慢性腎臓病など、他の病気や薬の影響で起こる「続発性骨粗しょう症」も存在します。そのため、単に加齢だけの問題として片付けず、背景に別の病気が隠れていないかを確認することも重要です。

      骨密度と骨折リスクの関係

      骨粗しょう症を理解するうえで鍵となるのが「骨密度(Bone Mineral Density:BMD)」です。骨密度は、骨の中にどれだけのカルシウムやリンなどのミネラルが詰まっているかを示す指標です。

      骨密度が低下すると、特に転倒や日常のわずかな衝撃で骨折しやすくなります。骨粗しょう症に伴う骨折のうち、特に大腿骨近位部骨折は、歩行能力の低下や寝たきりのきっかけになりやすく、要介護状態につながる重い骨折として問題視されています。

      日本で問題となっている骨粗しょう症の現状

      日本は世界有数の長寿国で、高齢化に伴い骨粗しょう症の患者数も増加しています。腰椎骨密度の研究では40歳以上の推計患者数は約1,590万人にのぼり、きわめて身近な疾患です。一方、厚生労働省の患者調査では2023年に治療を受けている患者は約138万7,000人とされ、実際には検査未受診者や骨折を機に診断される潜在患者が多いと考えられています。

      骨粗しょう症に関連する骨折は要介護の重要な原因で、とくに大腿骨近位部骨折は入院や長期リハビリを要し、高齢者の生活に大きく影響します。閉経後女性では骨密度の低下が急激に進み、50歳前後からリスクが急上昇します。

      男性では進行は緩やかですが、生活習慣病や喫煙・飲酒が影響します。こうした背景から、フレイルやロコモの概念と合わせた早期予防と骨折防止の重要性が高まり、学会・自治体・医療機関による啓発や検診、転倒予防活動が広がっています。

      骨粗しょう症になりやすい生活習慣と行動パターン

      骨粗しょう症は加齢や体質といった避けにくい要因に加えて、毎日の生活習慣や行動パターンの影響を強く受けます。骨粗しょう症になりやすい代表的な生活習慣を整理し、自分の生活と照らし合わせながら見直すきっかけになるよう解説します。

      運動不足と長時間の座位行動

      骨は、日常的に体重や筋肉の力がかかることで刺激され、骨形成が進む仕組みをもっています。そのため、歩く時間が極端に少ない人や、デスクワーク中心で1日の大半を椅子に座って過ごしている人は、骨にかかる刺激が不足しやすく、骨量の低下につながりやすいと考えられています。

      特に、通勤や買い物の移動手段が主に自家用車で、階段を使う機会も少ない場合、1日の総歩数が簡単に数千歩以下になってしまいます。こうした状態が長く続くと、下肢の筋力低下とともに骨密度も減りやすくなり、将来の転倒や骨折のリスクを高めます。

      また、同じ姿勢で座り続ける「長時間の座位行動」も、骨や筋肉への負荷を減らし、代謝の低下を招きます。

      カルシウム不足や偏った食生活

      骨の主成分であるカルシウムやリンは、毎日の食事から補われます。ところが、乳製品や小魚・大豆製品・緑黄色野菜などをあまり食べない人では、カルシウム摂取量が不足しやすくなります。偏ったダイエット・朝食を抜く習慣・インスタント食品やスナック菓子に偏った食生活も、必要な栄養素が十分にとれない原因になります。

      日本人はもともと乳製品の摂取量が欧米諸国に比べて少ない傾向があるとされており、カルシウム不足は骨粗しょう症の重要な危険因子と考えられています。

      過度なダイエットや食事制限の影響

      短期間で体重を落とそうとする極端なダイエットは、骨粗しょう症のリスクを高める大きな要因です。摂取エネルギーやたんぱく質・カルシウムなどが不足すると、体は生命維持を優先し、骨に蓄えられたカルシウムが血中に動員されやすくなります。その結果、骨密度の低下が進み、若い世代でも将来の骨折リスクが高まる可能性があります。

      特に、10代から20代は本来、骨量が最も増える時期にあたります。この時期に極端な食事制限や過度な運動による無理な減量を続けると、「骨量のピーク」が十分に高まらないまま大人になってしまい、中高年以降の骨粗しょう症につながりやすくなります。女性の場合、月経不順や無月経を伴う女性ホルモンの分泌低下によって、さらに骨量減少が加速することもあります。

      中高年の世代でも、糖質制限や単品ダイエットなど、特定の食品群を極端に避ける方法は、結果的にカルシウムなどのミネラルやビタミン不足につながることがあります。

      喫煙や過度の飲酒による骨へのダメージ

      喫煙は、血流の悪化やホルモンバランスへの影響などを通じて、骨の形成を妨げる要因の1つとされています。たばこの煙に含まれるニコチンや一酸化炭素などの有害物質は、骨をつくる骨芽細胞のはたらきを抑えたり、カルシウムの吸収を悪くしたりする可能性が指摘されています。長年喫煙を続けている人では、骨密度が低く、骨折リスクが高い傾向が報告されています。

      一方、アルコールの過剰摂取も骨粗しょう症のリスク要因とされています。大量の飲酒を続けると、骨形成に関わる細胞のはたらきが抑えられたり、カルシウムやビタミンDの代謝が乱れたりすることが知られています。さらに、飲酒に伴う転倒の増加や、肝機能障害などの合併症も骨折リスクを高める要因になります。

      骨粗しょう症になりやすい人の特徴

      骨粗しょう症は、加齢や性別、家族歴といった変えにくい要因に加えて、体型の変化とも深く関わっています。

      やせ型の人

      やせ型で体重が軽い人は、一見すると健康的に見えることがありますが、骨の観点からみると注意が必要な場合があります。体重が軽すぎると、骨にかかる適度な負荷が少なくなり、骨形成が十分に促されにくくなるためです。また、脂肪組織が少ないと、骨代謝に関わるホルモン環境にも影響が出ることが指摘されています。

      低身長化や身長の急な縮みが見られる人

      最近になって「健康診断の身長が以前より低くなっている」と感じる場合、単なる姿勢の変化だけでなく、背骨の骨折(椎体骨折)が隠れていることがあります。椎体骨折は強い痛みを伴わない場合も多く、自覚症状が乏しいまま徐々に進行してしまうことがある点が特徴です。

      椎体骨折が起こると、背骨がつぶれたような形になり、結果として身長が低くなります。これが複数の骨で起きると、背中が大きく曲がった「円背(猫背)」となり、胸やお腹が圧迫されることで呼吸機能や消化機能にも影響が出ることがあります。

      骨粗しょう症による椎体骨折は、転倒だけでなく、重い荷物を持ち上げたときや、くしゃみ・咳などの軽い衝撃でも起こることがあります。椎体骨折が一度起こると、その周囲の骨にも負担がかかり、続けて骨折が起こりやすくなる「骨折の連鎖」が生じることが知られています。身長の低下は、こうした連鎖が進んでいるサインである可能性もあるため、見逃さないことが重要です。

      骨粗しょう症になりやすい人が今日から始められる対策

      骨粗しょう症のリスクを下げるためには、まず自分が「骨折しやすい状態」に近づいていないかを把握することが出発点になります。

      生活習慣を見直す

      とくに骨密度の低下につながりやすい生活習慣に注目します。たとえば、牛乳・乳製品や小魚・緑黄色野菜をあまり食べず、カルシウムやビタミンD・ビタミンKが不足しがちな食事になっていないかを振り返ることが大切です。

      また、デスクワークなどで1日の大半を座って過ごしている人は、1時間に1回は立ち上がってストレッチをする・コピー機や給湯室まで少し遠回りして歩くなど、こまめに体を動かす習慣をつくることが、骨の健康だけでなく生活習慣病の予防にもつながります。

      喫煙習慣がある人や、アルコールを毎日多量に飲む人も、骨質の低下や転倒リスクの増加につながるため、早めに見直したいポイントです。

      かかりつけ医や整形外科に相談するタイミング

      セルフチェックで骨粗しょう症の危険因子が複数当てはまる場合や、すでに骨折歴や身長低下が気になっている場合は、早めに医療機関に相談することが重要です。骨粗しょう症は、骨密度検査で客観的に評価でき、適切な時期に治療を開始することで将来の骨折リスクを大きく減らすことができます。

      ●受診を検討したい具体的なケース

      • 閉経を迎えた女性

      •  70歳以上の男女で、一度も骨密度検査を受けたことがない場合

      • ステロイド薬を長期的に内服している人

      • 関節リウマチなど骨量低下を伴いやすい持病がある人

      心配なことがあれば自己判断で様子を見るのではなく、早めに医師へ相談しましょう。

      まとめ

      骨粗しょう症は、運動不足や偏った食事・やせ型や筋力低下など、日々の生活習慣や体の変化が重なって進行しやすくなります。まずはセルフチェックで自分の傾向を確認し、気になる症状があれば早めにかかりつけ医や整形外科で相談してみましょう。

      ■参考資料
      Noriko Yoshimura N et al.Trends in osteoporosis prevalence over a 10-year period in Japan:the ROAD study 2005-2015.J Bone Miner Metab 40(5):829-838,2022
      厚生労働省 令和5年(2023)患者調査の概況

      この記事は、医療健康情報を含むコンテンツを専門医がオンライン上で監修する「メディコレWEB」の認証を受けています。

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