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# 貧血

    貧血の概要

      貧血の概要を解説!原因・種類・症状まで

      2025/9/8

      貧血は、意外と見過ごされがちな不調の一つです。「なんとなく疲れやすい」「顔色が悪いと言われた」などの経験がある方も多いのではないでしょうか。

      この記事では、貧血の症状や原因、種類などの概要をわかりやすく解説します。

      貧血とは?

      貧血の正しい理解が、適切な対処につながります。まずは概要を把握しましょう。

      「貧血=血が足りない」は誤解

      貧血というと「血が足りない」と考える方も多いですが、実際は血液中のヘモグロビン濃度が低下している状態。ヘモグロビンは赤血球に含まれる成分で、肺から取り込んだ酸素を全身の細胞に届ける働きをしています。つまり、貧血は「体内の酸素が不足している」状態なのです。

      ヘモグロビンと酸素の関係

      ヘモグロビンが不足すると、体中に十分な酸素が行き渡らなくなり、疲労感や息切れ、集中力の低下などが起こります。貧血による症状の多くは、酸素不足によるものと考えられています。

      貧血と低血圧の違いは?

      立ちくらみやだるさといった症状が似ていますが、どちらも体中に酸素を運ぶ力が落ちている状態です。低血圧は“血液を送り出す力”が弱い状態であり、全身に血液が行き届かないため、ヘモグロビンがしっかりあっても酸素や栄養が不足し症状があらわれます。対処法も異なるため、違いを正しく理解することが大切です。

      貧血が起こる原因って?

      なぜ貧血になるのでしょうか?主な原因は鉄分の不足ですが、生活習慣や病気の影響も見逃せません。

      主な原因

      貧血の原因として最も多いのが鉄不足です。鉄は赤血球中のヘモグロビンを作る材料の一つです。

      赤血球の寿命は約120日と限られており、骨髄では常に新しい赤血球が作られています。古くなった赤血球は分解され、一部の鉄は再利用されます。

      バランスのよい食生活を送っていれば不足することはあまりありませんが、怪我や月経で出血がある場合は赤血球合成のための鉄の必要量が増えるため、不足することがあります。また、腸の病気などで、食事からの鉄の吸収がうまくいかないと鉄不足を招く可能性があります。

      食生活・生活習慣との関係

      ダイエットや偏食によって鉄分を十分にとれていないケースは少なくありません。そもそも鉄は体内への吸収率があまり高くなく、摂取した量すべてが吸収されるわけではないため、日頃から鉄を多く含む食品を意識して選ぶことが大切です。

      さらに、忙しい日常の中で睡眠不足やストレスが続くと、栄養の吸収や代謝が落ち、貧血につながりやすくなります。

      月経や妊娠が与える影響

      女性は月経による出血や、妊娠中の鉄分需要の増加などにより、貧血を起こしやすい傾向があります。特に、妊娠後期は母体と胎児の両方に十分な血液を届ける必要があり、赤血球合成のための鉄の必要量が増します。

      病気の可能性

      貧血の背後に、胃潰瘍やポリープ、がんなどの消化管の病気が隠れていることがあります。消化器疾患の中には、鉄の吸収が阻害されることや、知らず知らずのうちに腸管出血などで血液を失うことから、貧血を引き起こすものがあります。食生活の問題がなく、出血をしていないのに貧血の症状があらわれたときには、医療機関での検査を受けることが重要です。

      貧血の種類は?

      貧血にはいくつかの種類があるため、ここでは代表的な貧血について紹介します。

      鉄欠乏性貧血

      もっとも一般的な貧血タイプである鉄欠乏性貧血は、女性に多く見られます。鉄分不足によるヘモグロビンの合成障害が主な原因であり、月経や妊娠、出産などの影響で鉄の需要が高まることで発症しやすくなります。軽度では自覚症状が乏しいこともあり、注意が必要です。

      悪性貧血と再生不良性貧血

      悪性貧血は、ビタミンB12の吸収障害によって起こる貧血で、神経症状を伴うこともあります。再生不良性貧血は、骨髄の造血機能が低下して起こる重度の貧血で、感染症や出血のリスクが高まります。

      貧血の診断

      貧血の診断は、主に血液検査によって行われます。健康診断では「血色素(ヘモグロビン:Hb)」「赤血球数(RBC)」「ヘマトクリット(Ht)」の3項目が貧血の指標として用いられます。これらの数値が基準より低い場合、貧血の可能性があると判断され、医療機関の受診を勧められることがあります。

      さらに詳しい原因を探る場合には、医療機関でフェリチン(体内の鉄の貯蔵量)やビタミンB12などの追加検査が行われます。フェリチン値の測定は一般的な健康診断には含まれていないため、検診で異常が見つかった場合や自覚症状がある場合に調べるのが一般的です。

      貧血の症状は?

      貧血は、日常のちょっとした不調からも気づくことができます。さまざまな症状とサインを把握しておきましょう。

      主な症状

      貧血の代表的な症状には、疲れやすさ、立ちくらみ、息切れ、顔色の悪さなどがあります。これらは、体内の酸素が不足することで、全身の臓器が正常に働けなくなることに起因しています。その他にも以下のような症状がみられる場合があります。

      ●冷え
      手足の冷えは、血液の流れが滞っているせいかもしれません。貧血によって酸素や栄養の運搬がうまくいかず、冷えを感じやすくなることがあります。

      ●動悸
      軽い運動や階段の上り下りで動悸が激しくなる場合は、酸素運搬能力の低下が影響していることも。心臓が酸素不足を補おうと頑張っている証拠です。
      こうした小さな変化が、貧血の初期症状となることもあります。

      ●爪の変形
      爪が反り返る・割れやすい・縦線が目立つなどの変化は、鉄不足による影響かもしれません。視覚的に分かる症状だからこそ、早めの気づきが大切です。

      ●口内炎
      繰り返す口内炎や口角炎は、鉄やビタミンB群の不足が原因となることもあります。
      粘膜の修復がうまくいかず、症状が長引くこともあるため、頻度が高いときは栄養面を見直しましょう。

      実は見逃しやすい“かくれ貧血”

      ヘモグロビン値が正常でも、鉄の貯蔵量を示すフェリチン値が低い状態が「かくれ貧血」です。明確な症状が出にくいため見逃されやすく、慢性的な疲労や集中力の低下が唯一のサインになることもあります。

      貧血と間違われやすい症状

      起立性低血圧や更年期障害、慢性疲労症候群などと貧血の症状はよく似ているため、誤認されがちです。貧血だと思ったら更年期のホットフラッシュだったというケースも。いつもと違うと感じたら、自己判断せず専門機関での診察を受けましょう。

      「体質かな?」と思っていたその症状、実は貧血かもしれません。気づきやすい変化から、早期発見につなげましょう。

      貧血かな?と思ったら

      鉄不足で貧血が進むと、以下のような症状がみられます。セルフチェックで確認してみましょう。

      鉄不足のセルフチェック

      • 動悸、息切れ

      • 顔色が悪い

      • 疲れやすい

      • 爪が反る(スプーンネイル)

      • 舌のヒリヒリ感

      • 嚥下困難

      • 異食症(氷などを無性に食べたくなる状態)

      • レストレスレッグス症候群(夜間に脚がむずむずする症状)

      病院に行くべき?

      セルフチェックして気になる症状があり、食生活などの対策をしても改善しない場合は、医療機関での検査をおすすめします。特に妊娠中や高齢者、慢性的に症状が続いている方は、自己判断せず、早めに受診してください。

      貧血かも?と思ったら早めの対処を!

      「ただの疲れ」だと思っていた不調が、実は貧血だったケースは意外と多くあります。貧血の基礎を理解することは、自分の体をいたわる第一歩です。貧血のサインがあったら、生活を見直しましょう。

      ■参考資料
      厚生労働省:働く女性の心とからだの応援サイト(2025年6月27日現在)
      日本鉄バイオサイエンス学会治療指針作成委員会編 鉄剤の適正使用による貧血治療指針 改訂「第3版」2015

      この記事は、医療健康情報を含むコンテンツを専門医がオンライン上で監修する「メディコレWEB」の認証を受けています。

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