# 貧血
成長期の貧血
子どもの集中力と偏食に注意!成長期の貧血
2025.09.17

「子どもの元気がない」「子どもが集中できていない」と感じたら、成長期特有の鉄不足が原因かもしれません。成長期は身長や体重が急激に伸びる時期で、体内で必要とされる栄養素、特に鉄分の需要が高まります。
鉄が不足すると、めまいや立ちくらみ、学業への集中力の低下など、日常生活に支障をきたす症状が出ることも。この記事では、成長期と鉄の関係、子どもに見られる変化、家庭でできる対策などをわかりやすく解説します。
成長期の体と鉄の深い関係
成長期の子どもは、体も心も急速に発達していく時期。「鉄」は成長に欠かせない重要な栄養素です。ここでは、鉄と成長の関係を詳しく解説します。
鉄は子どもの成長と発達を支える栄養素
鉄は赤血球の材料として酸素を全身に運ぶ役割を担い、持久力や行動力を支えています。また、脳内の神経伝達物質の合成にも関与しており、集中力や思考力にも影響を与えます。
男女で変わる鉄の必要量
思春期に入ると、男女ともに筋肉量が増加し、成長や運動により血液量も増えるため、多くの鉄が必要です。女子は月経による定期的な出血により、鉄を失いやすく必要量が男子よりも多くなります。
この時期は、食生活を見直し、鉄を多く含む食材(赤身肉・赤身魚・大豆製品など)を意識して取り入れることが大切です。
子どもが鉄不足になりやすい理由
身長や体重が急激に増える時期は、体内での鉄の消費量が一気に増えます。朝食の欠食や偏食、過度な運動による発汗や溶血(赤血球の破壊)なども鉄不足の要因に。
特にスポーツを頑張る子どもや、体型が気になりはじめた子どもには注意が必要です。
鉄不足が招く貧血以外のリスク
成長期の子どもは鉄不足のリスクが高く、学習や生活に影響を及ぼす可能性もあります。ここでは、代表的な症状を紹介します。
発育上のリスク
成長期には細胞の分裂や代謝が活発になり、鉄分の需要がぐっと高まります。このタイミングで鉄が不足すると、骨や筋肉、臓器などの発達がスムーズに進まず、身長や体重の伸びが遅れるケースも。
免疫力の低下や慢性的な疲労感にもつながるため、「よく風邪をひく」「体調が安定しない」といったサインを見逃さないことが大切です。
集中力・記憶力が落ちて、学習に影響する
鉄は脳の酸素供給にも深く関与しています。不足すると脳の働きが鈍り、集中力や記憶力が低下してしまうことも。
授業中にぼんやりして学習内容をなかなか覚えられない場合、睡眠や生活習慣だけでなく鉄分不足が原因になっているかもしれません。注意深く観察しましょう。
疲れやすくなる・やる気が出ない
鉄はエネルギーを作り出すうえでも重要な働きをしています。そのため不足すると、すぐに疲れを感じたり、体がだるくなったりすることが増えていきます。
以前よりも運動や外遊びを避けるようになった、朝からやる気がないように見える、といった変化が見られたら、食生活を見直すサインかもしれません。
感情が不安定になりやすい
鉄は神経伝達物質であるセロトニンやドーパミンの合成にも関わっており、不足すると気持ちの浮き沈みが激しくなる傾向があります。ちょっとしたことでイライラしたり、涙もろくなったりといった変化が見られたら、性格の問題と片づけずに食生活を確認してみましょう。
特に成長期の子どもは心の変化も大きいため、丁寧なサポートが必要です。
偏食が多いと鉄不足になる?
食べ物の好き嫌いが多かったり、小食だったりと食生活が偏ってしまうと、十分な鉄分をとることができません。ここでは、家庭で見直したいポイントを紹介します。
鉄分がとりにくい食生活とは
●朝食を欠食する
●インスタント食品の頻度が高い
●肉や魚を食べない
●菓子でお腹がいっぱいになり、食事がとれない
●体重を気にして食事量を減らしている
●量を食べられない体質で、痩せている
鉄は成長期に特に必要な栄養素。このような食生活に心当たりがある場合は、日常的な献立を見直すことが大切です。
学校給食で補える?
学校給食では鉄分を含む献立が多く、1食で1日に必要な量の約4割をまかなえるよう作られています。ただし、給食だけでは1日分の鉄を十分にとることは難しいため、朝食や夕食でも鉄を意識した献立にすることが大切です。
サプリメントで補ってもいいの?
鉄分を補う手段として、サプリメントや鉄強化食品も選択肢になります。
ただし過剰摂取に注意が必要です。基本は食事からとるのが望ましいですが、医師の指導のもとで補助的に使う方法もあります。
アスリートの貧血サインは?
成長期の子ども以外にも運動量が多いアスリートも鉄の消耗が多く、鉄不足(貧血)のリスクが高くなります。日々の体調や行動の変化を見逃さず、早めの気づきと対策が大切です。

運動量が多いアスリートの貧血サイン
運動量が多くなると、汗や筋肉の微細な損傷で鉄が消耗されやすくなります。
鉄が不足すると、酸素を運ぶ力が落ちて持久力が低下し、以前より練習後の疲れが抜けにくい、スタミナが持たない、記録が伸びないといった変化が出やすくなります。
これらは「スポーツ貧血」と呼ばれる状態で、早期の発見が重要です。
身体にあらわれるサイン
貧血が進むと、顔色が青白く見えたり、唇の血色が悪くなったりすることがあります。また、爪が薄く割れやすくなったり、スプーン状に反り返ったりすることも。
鉄不足によって骨の修復や代謝が滞ると疲労骨折のリスクが高まり、パフォーマンス低下や怪我の長期化につながります。
女性の場合は月経不順や無月経になるなど、ホルモンバランスの乱れとも関連し、より注意が必要です。
成長期の子どもは鉄不足に注意
成長期の子どもは体の成長により、多くの鉄を必要とします。鉄不足は、集中力や持久力の低下、情緒の乱れ、発育の遅れなど、日常のささいな不調としてあらわれることもあります。
特に成長期は偏った食事や月経による鉄の喪失など、貧血リスクが高まる時期。子どもの「いつもと違う」に気づくためにも、家庭での食生活や生活習慣を見直し、早めの対策を心がけましょう。
また、成長期の子どもだけでなく、アスリートは鉄の消耗が多くなるため鉄不足による貧血に注意が必要です。
◆参考資料
厚生労働省:働く女性の心とからだの応援サイト(2025年6月27日現在)
日本鉄バイオサイエンス学会治療指針作成委員会編 鉄剤の適正使用による貧血治療指針 改訂「第3版」2015

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