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鉄
# 貧血関連
鉄は元気を支える栄養素
2025.09.03

この記事では、貧血予防だけでなく全身の健康維持に欠かせない鉄についてご紹介します。
鉄とは

鉄はミネラルの一種で、主に動物性食品に含まれる「ヘム鉄」と植物性食品に含まれる「非ヘム鉄」に分けられます。人の体にも成人で3~4gの鉄が存在し、約70%は赤血球中のヘモグロビンに含まれています。残りは、肝臓・脾臓・骨髄中などに蓄えられ、筋肉中のミオグロビンというたんぱく質の材料にもなっています。
鉄のはたらき
体内の鉄は、大きく分けて「機能鉄」と「貯蔵鉄」の2種類があります。
機能鉄の代表がヘモグロビンで、肺から取り込んだ酸素を全身に運ぶ重要な役割を担っています。酸素が体や脳に十分に行きわたることで、私たちは元気に活動することができています。そのほか、エネルギー産生や免疫機能のサポートにも関わっています。
一方、貯蔵鉄の代表であるフェリチンは、鉄が不足した際に備えて体内に蓄えられており、必要に応じて鉄を供給する役割を果たします。
このようなはたらきから、血液中のヘモグロビン濃度やフェリチン濃度は、貧血の診断や重症度を判断するための指標となっています。
鉄はどれくらい必要?
鉄の必要量は、日本人の食事摂取基準(2025年版)では、以下のように1日当たりの推奨量が定められています。
推奨量
男性(18歳以上):6.5~7.5㎎(年代による)
女性/月経なし(18歳以上):5.5~6.0㎎(年代による)
女性/月経あり(18歳以上):10.0~10.5㎎(年代による)
鉄の不足ととり過ぎについて
鉄が不足すると
ヘモグロビンが十分に作られないことで、鉄欠乏性貧血を引き起こす可能性があります。貧血になると、体が酸素不足の状態になり、息切れ、めまい、頭痛、動悸などの症状があらわれるほか、運動機能や認知機能の低下にもつながります。特に女性は、月経や妊娠によって鉄の必要量が増えるため不足しやすい傾向があります。
鉄をとり過ぎると
通常の食事では過剰症の心配はほとんどありません。しかし、サプリメントなどで長期間にわたり鉄をとり過ぎると、体内の臓器に鉄が蓄積され、健康障害を引き起こす可能性があります。そのため、医師の指導がない限り、日常的な摂取量が推奨量を大きく超えないよう注意することが大切です。
鉄を含む代表的な食品
レバー・牛肉・かつお・あさり・卵・納豆・厚揚げ・こまつな・ほうれんそう・乾ひじき(鉄釜)
鉄を効率よくとるために
鉄は吸収されにくい栄養素です。特に植物性食品に含まれる「非ヘム鉄」は吸収率が低いため、食品の組み合わせを意識しましょう。
●相性の良いもの
ビタミンCには「非ヘム鉄」の吸収を助けるはたらきがあります。鉄を含む食品とビタミンCを含む野菜や果物を組み合わせてとるのがおすすめです。
ビタミンCは別の記事で詳しく紹介しています。
●相性の悪いもの
コーヒー、紅茶、緑茶などに含まれるタンニンは、鉄の吸収を妨げる可能性があります。カフェインレスコーヒーにもタンニンは含まれているため注意が必要です。特に貧血が気になる方はとり過ぎに気を付け、食事から時間を空けてとるように意識してみてください。
アスリートのパフォーマンスにも重要
アスリートは激しいトレーニングやジャンプ、長距離のランニングなどによって赤血球が壊れたり、汗からも鉄が失われたりするため、鉄の必要量が多くなります。鉄の栄養状態は持久力などのパフォーマンスにも影響することが報告されており、鉄はアスリートにとっても重要な栄養素の1つです。
まとめ
鉄は健康や日々の活力を支える大切な栄養素です。特に女性や運動量が多い方は不足しやすいため意識してとることが重要です。日常的に鉄を含む食品を取り入れて、元気な毎日を過ごしましょう!
◆参考資料
厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2025年版)
文部科学省 日本食品標準成分表(2020年)八訂
髙田和子編,エッセンシャル スポーツ栄養学,市村出版, 2020





