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# 給食

    日本のご当地給食

      日本のご当地給食をのぞいてみよう!

      2025.10.22

      山の幸、海の幸が豊富な日本では、四季折々の食材が手に入り、地域ごとに異なる食文化も発展しています。

      じつは食の地域差は学校給食にも見られるのをご存じでしょうか。子どもたちは、日本全国で同じ給食メニューを食べているわけではありません。

      この記事では、日本各地の給食事情をご紹介します。中には「こんな給食もあるんだ!」と驚くような献立が見つかるかもしれません。

      バリエーション豊かなふるさと給食

      学校給食で出される料理は、国が全国一律で献立を考えているわけではなく、それぞれの学校や施設で働く栄養士たちが決めています。同じ市内であっても、複数の献立が存在することも珍しくありません。

      日本は地域ごとに異なる食文化が発達してきました。また、その土地ならではの産物もあります。このような背景があるため、栄養士たちは、地域性を生かした給食の献立を食文化を伝える食育として考案しています。

      例えば、かつお漁業で有名な高知県では「かつおめし」など黒潮の海で育った魚介類が登場します。一方、海から離れた地域では、長野県の「塩いか」など「魚類の保存技術」を生かした郷土料理が生まれ、同様に献立に取り入れられているそうです。

      ここからは、地域性を生かしたふるさとの給食をいくつかご紹介します。

      北の大地の恵みがいっぱい!北海道札幌市のふるさと給食

      玉ねぎ発祥の地と言われる北海道札幌市では、幻の玉ねぎ「札幌黄」を使ったかき揚げ丼が提供されることがあります。

      札幌黄は昔から北海道で栽培されている伝統野菜ですが、病気に弱く、生産者が減少したため一時は市場から姿を消しかけ「幻のたまねぎ」と呼ばれるようになりました。

      肉厚で加熱することで驚くほど甘味とコクがますおいしさを見直され、今では地域の宝として大切に育てられています。

      給食では、札幌黄の風味と食感を最大限に生かすため、少し厚切りにしてかき揚げにされています。同じ北海道産のお米「ななつぼし」の上にのせて提供される一杯は、玉ねぎが苦手な子どもでも食べやすいと好評のようです(※1)。

      市民のソウルフードを活用!埼玉県行田市の給食

      埼玉県行田市では、市民のソウルフード「ゼリーフライ」が学校給食に登場します。

      名前からするとデザートかと思うかもしれませんが、おから、じゃがいも、ねぎ、にんじんなどを小判型にして、衣を付けずに素揚げしたもので、コロッケに似ていますが、もちもちした食感が美味しい栄養満点の総菜です。

      明治の頃から、手軽に栄養補給ができると、女工さんたちのおやつとして地域に根付いています。名前の由来はゼリーではなく「銭」。の形に似ていることから「銭フライ」として呼ばれていたものがなまって「ゼリーフライ」になったといわれています。

      地域の歴史と人々の暮らしが生んだ素朴で栄養豊富な郷土料理は、給食を通して地域の食文化に触れるきっかけになっています(※2)。

      豪華絢爛!カニを丸ごと食べられる富山県射水市の給食

      海産物が特産である富山県射水市では、6年生の子どもたちを対象に1年に1回、豪華絢爛な給食が登場します。それが「ベニズワイガニ給食」。なんとカニを丸ごと一匹食べられる、全国的に珍しい献立です。

      見た目のインパクトもさることながら、ジューシーな身肉と格別の甘さが絶品で、「甘くておいしい」と喜ぶ子どもも多いそうです。

      給食でカニを提供する目的は、豪華な食事を楽しむことではなく、地域を代表する食材に親しみを持つことにあります。

      射水市では、給食を「食べる」前に、カニの生態や漁法、食べ方などについて学ぶ時間を設けており、児童が食材の背景を「知り・考える」機会を大切にしています。こうした体験を通じて、ふるさとへの愛着や誇りを育むことを目指しています(※3)。

      米の下におかずを埋める?ユニークな広島県福山市の給食

      広島県福山市の郷土料理「うずみ」は、少しユニークな食べ方で話題の料理です。海鮮やいもなどを具にした汁の上に、なんとお米をのせて食べます。まるでお米の下に具材を「うずめる」ように食べることから、「うずみ」と名付けられました。

      「うずみ」は江戸時代の倹約令の影響で、贅沢を避けるために具材をごはんの下に隠して食べたことが始まりとされる福山市の郷土料理です 。

      昭和40年代までは秋の収穫を祝う料理として親しまれていましたが、食生活の変化で一時期は食べられなくなりました。

      平成2年から、郷土の食文化を伝える食育の一環として学校給食に導入され、現在も秋の献立として提供されています(※4)。

      茶の名産地ならでは!京都府宇治田原町の給食

      日本緑茶発祥の地と言われる京都府宇治田原町では、給食に宇治茶を使ったさまざまなメニューを提供しています。

      例えば、郷土料理の「茶汁」が有名です。茶汁は、具材と味噌に、いぶしたような香ばしい香りを出すほうじ茶を注いだ汁です。給食ではほうじ茶のほかにカツオだしも使われ、子どもたちが食べやすいよう工夫されています。

      ほかにも、生の茶葉で作る「新茶葉のかきあげ」や、水出し煎茶で炊いた「茶の香ごはん」、茶がらとちりめんじゃこ、生姜を煎った「茶の葉ふりかけ」など、お茶を使った献立が人気です。

      茶汁を出すと、子どもたちは「いつものお味噌汁と違う!」「お茶の味がする」と喜ぶそうです(※5)。

      ご当地給食│デザートにも見られる地域色

      主菜や副菜だけでなく、デザートにも地域性が見られます。学校給食で出るご当地デザートを見ていきましょう。

      宮城県で有名なデザートといえば「フレンドヨーグルト」の名前が挙がります。クリーミーで濃厚な味と、レトロなパッケージデザインが懐かしいと感じる方が多いのではないでしょうか。

      石川県小松市には「ホワイトミニー」があります。花のような形をした容器に、濃厚なレアチーズ味のスイーツが入っていて、子どもたちにとってはお楽しみデザートのひとつです。

      九州エリアの給食でおなじみなのは「ムース」です。ミルク風味のラクトアイスで、時間が経っても溶けない食感が特徴です。給食の配膳に時間がかかってもおいしく食べられるようにと開発されました。

      まとめ│地域の色が出るご当地給食

      学校給食は、その土地によって地域差がある点が魅力です。

      地場産物を使った郷土料理は、単においしいだけでなく、給食を通じて地元文化を子どもたちに伝える意味でも、大切な役割を担っています。

      大人になってからも、子どものころに食べた学校給食の話をすると、いろいろな発見があるかもしれません。

      ◆参考資料
      ※1 農林水産省 ご当地郷土料理の魅力 ふるさと給食自慢 第18回北海道札幌市の学校給食(2025年9月24日現在)
      ※2 農林水産省 ご当地郷土料理の魅力 ふるさと給食自慢 第14回埼玉県行田市の学校給食(2025年9月24日現在)
      ※3 農林水産省 ご当地郷土料理の魅力 ふるさと給食自慢 第10回富山県射水市の学校給食(2025年9月24日現在)
      ※4 農林水産省 ご当地郷土料理の魅力 ふるさと給食自慢 第22回広島県福山市の学校給食(2025年9月24日現在)
      ※5 農林水産省 ご当地郷土料理の魅力 ふるさと給食自慢 今週のテーマ京都府宇治田原市の学校給食(2025年9月24日現在)

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