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# 給食

    給食の舞台裏

      学校給食を作っているのは誰?舞台裏を解説

      2025.10.08

      子どものころ、心待ちにしていた給食。友達と一緒に食べる時間が楽しかったのは、誰かが心を込めて調理してくれていたからこそでした。

      当時は「誰がどのような流れで作っているか」など気にしていなかったかもしれません。でも大人になってから、ふと仕組みが気になったことはないでしょうか?

      この記事では、給食の気になる舞台裏をご紹介します。給食提供に関わる栄養士・調理員がどのような想いで作っているかを知ると、給食をもっと身近に感じられるでしょう。

      お子さまを学校に通わせている方は、給食の大切さを伝える良い機会になります。ぜひ、参考にしてください。尚、この記事では公立の小中学校の給食について紹介していきます。

      学校給食はどこで作られているの?

      学校給食の調理・提供方法はいくつか種類があります。

      • 自校調理方式:学校の給食室で調理・提供する方式

      • 親子方式:1つの学校の給食室で自校と近隣校の分を調理・提供する方式

      • センター方式:「給食センター」や「共同調理場」などで複数校分をまとめて調理・配送する方式

      • デリバリー方式:民間の弁当工場や食品工場で調理・配送する方式

      自治体が提供方法を定めるのが一般的ですが、同じ自治体内でも学校ごとに対応が異なることがあります。皆さんが通っていた学校では、どの方式だったでしょうか?思い出とともに、改めて振り返ってみるのも面白いかもしれません。

      給食作りにはたくさんのプロが関わっている

      給食作りと聞くと、調理場でたくさんの調理員たちが働いている場面を想像することでしょう。そのイメージも正しいですが、子どもたちの食事を作っているのは調理員だけではありません。おいしく、健康的で安全な給食作りには、多くの人の協力が不可欠です。

      ここからは、公立の学校給食を例に、給食の献立作りや調理に携わっているプロたちの舞台裏を見ていきましょう。

      献立を考えているのは「栄養教諭」や「学校栄養職員」

      学校給食の準備は、献立を考えるところから始まります。献立を考えるのは、栄養士の有資格者である「栄養教諭」や「学校栄養職員」などです。

      両者とも給食を支える大切な存在ですが、役割には違いがあります。

      栄養教諭は、栄養士の資格に加え教員免許も有しています。給食管理はもちろん、その専門知識を活かして、子どもたちに食事や栄養の大切さを教える授業を行うことができます。

      対して学校栄養職員は、栄養士の資格を有しており、主に学校給食の管理運営を専門に行う職員です。

      また、栄養教諭および学校栄養職員の定数は、学校の教職員の人員配置に関する法律である「義務標準法」に基づいて決められます。

      550人以上の学校では1人配置され、それ以下の場合は兼務で配置さています(※1)。

      1学年100人程度(3クラス程度)の小学校では1人は配置されている計算になります。皆さんが通われていた小学校にも、実は栄養士が配置されていたかもしれません。

      調理を担当するのは「給食調理員」

      給食調理員は、献立に基づき実際に調理を担当する人です。給食調理員として働くのに特定の資格は求められていませんが、主に栄養士や調理師の指示のもとで働きます。

      仕事は調理だけでなく、食材の検収(品質や数量のチェック)、野菜を洗ったり切ったりなどの下処理、食器の洗浄・消毒・保管、調理場の清掃など多岐にわたります。調理スピードやスキルに加え、直接食材に接する立場であるため衛生に関する知識や意識が必要です。

      子どもたちの食を支える給食調理員の仕事は、見えないところで多くの手間と工夫が重ねられています。毎日の給食が安心して食べられるのは、そうした丁寧な仕事の積み重ねによるものなのです。

      最終確認は校長先生

      給食が出来上がった後の最終確認として、子どもたちに給食を提供する前に、校長先生などの学校責任者が「検食」を行います。

      検食では実際に1食を食べて、異物混入がないか、異味・異臭がないか、おいしいか、香りや色彩は良いかなどを確かめます。確かめた内容は毎日「給食日誌」に記録します。

      検食は校長先生の大切な仕事のひとつ。こうして安全が確認された給食が、子どもたちのもとへ届けられているのです。皆さんはご存じでしたか?

      工夫や配慮がいっぱい!給食作り現場のリアル

      ここからは、給食作りで見られるさまざまな工夫について見てみましょう。衛生面や子どもたちの嗜好への配慮など、その舞台裏には多くの努力が垣間見えます。

      苦手なものも食べやすく!給食づくりの現場には工夫が不可欠

      献立を考える栄養教諭たちは、単においしい食事を作るだけではなく、子どもたちの栄養や好みにも配慮しなければなりません。

      例えば、不足しがちな鉄などを学校給食で十分とれるように配慮したり、うまみを生かして塩分を抑えたりなど、多くの工夫が必要です。

      また地場産物や郷土料理を取り入れて、子どもたちが自分たちの育った場所に関心を持てるようにしたり、嫌いな食べ物でも食べやすいように味付けや色彩を考えたりと、食べる人が笑顔になるような献立作りが求められます。

      例えば「野菜をハート型にして子どもを喜ばせた」「小松菜が苦手な子どものために人気のツナを組み合わせ、残食率を調べて味付けや色合いを改善した」など、栄養教諭たちはさまざまな趣向を凝らしています。

      子どもたちの笑顔を守る!食の安全も徹底管理

      子どもたちが毎日安心して給食を食べられるように、学校では衛生と安全の管理が徹底されています。給食は『学校給食衛生管理基準』に沿って調理されており、この基準は非常に厳しく、細かな項目まで定められています。こうしたルールのもとで、日々の給食が安全に提供されているのです。

      例えば、給食づくりには、調理員の体調管理から食材の加熱方法、運搬の仕方まで、たくさんのチェックポイントがあります。

      また、野菜などの食材に付いている菌が、他の食材に付着しないようシンクを分けて洗浄し、調理の途中や作業の切り替え時には、何度も手洗いを行うなど、衛生管理が徹底されています。

      その他にも、万が一食中毒が発生した場合に原因を特定しやすいようにすべての食材を保存しています。

      ルールを守り、衛生的に調理がされているかどうかを教育委員会が確認します。定期的に検査や点検を行い、問題があれば所管する学校に対して改善するように指導を行います。

      学ぶことが子どもたちの学校生活の中心であるからこそ、給食がその妨げにならないよう、衛生管理は徹底されています。安心して食べられる給食は、子どもたちの健やかな学びを支える大切な存在なのです。

      まとめ│給食は多くの人の力で作られている

      子どもたちに給食が届けられるまでには、多くの人たちの働きが欠かせません。

      栄養士の資格を持つ栄養教諭や学校栄養職員、給食調理員、校長先生や教育委員会など、衛生や品質に関する基準に照らして、さまざまな工夫を凝らしています。

      また、子どもたちが安心安全に食事ができるだけでなく、おいしく食べてもらえるよう、多くの努力や工夫がされています。

      ふだん給食を食べているお子さんを持つ親御さんは、機会を作って子どもたちに給食の舞台裏について話してみるのはいかがでしょうか。

      ■参考資料
      ※ 文部科学省:学校給食の献立はどのように決められているの?(2025年9月24日現在)
      ※ 文部科学省:食育・栄養教諭に関してよくある質問Q&A(2025年9月24日現在)
      ※ 文部科学省:第2章 学校給食の意義と学校給食従事者の役割(2025年9月24日現在)
      ※1 文部科学省:教職員定数の算出について(2025年9月24日現在)

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