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# 給食

    給食の歴史

      明治時代から存在!?「給食の歴史」

      2025.10.01

      学校生活の中で「給食」は、楽しみにしている時間の1つとなっている学生も多いことでしょう。

      学校だけでなく企業でも、いわゆる「産業給食(社員食堂)」として、従業員のために給食を提供しているケースが多くあります。

      給食は日本ではなじみの深い習慣ですが、その歴史は意外に古く、なんと明治時代にまでさかのぼるようです。

      この記事では、学校給食や産業給食の起源や始まった理由について解説します。また学校給食と産業給食における目的の違いについてもまとめました。

      そもそも「給食」とは?

      給食とは、学校や職場や特定の施設などにおいて、食事を提供することです。

      日本において、給食は日常で慣れ親しんだサービスと言えます。保育・教育施設について言えば、保育園や幼稚園、小学校、中学校などで給食が提供されることが一般的です。

      企業においては福利厚生の一環として、社員食堂を導入する企業は少なくありません。独立行政法人「労働政策研究・研修機構」のアンケート調査では、対象企業の24%が食堂のサービスを提供していると回答しています(※1)。

      ほかにも、医療機関や老人福祉施設などで提供される食事も給食の一種です。

      このように給食はさまざまな場所で提供されており、昔から私たちの生活に根付いています。

      いつから導入された?学校給食の歴史と目的

      ここでは「学校給食」にフォーカスをあてていきます。

      今ではすっかりなじみがある学校給食ですが、導入されたのはなんと100年以上も前。「そんなに昔からあるの?」と驚かれる方もいるでしょう。

      学校給食の歴史は、明治22年(1889年)にまでさかのぼるとされています。

      最初の給食はこの年、山形県鶴岡町(現・鶴岡市)にあった「私立忠愛小学校」というお寺の学校で出されたものだと言われています。

      当時、僧侶が托鉢で得た米やお金を使い、家庭が貧しい子どもたちのために昼食を無償で配ったのが始まりでした。

      明治時代には他にも、広島県、秋田県、岩手県、静岡県、岡山県などの学校で給食が提供されていきます。

      国の取り決めとして給食制度が本格化したのは、大正12年(1923年)です。国が児童の栄養改善策として奨励したことで、日本全国で広まっていきました。

      しかし、その後の戦中には食糧不足で一時的に給食の提供が中止されましたが、戦後に再び給食が復活します。

      現在は小学校のほぼ100%、中学校の90%弱にて、給食制度が普及しています(※2)。

      学校給食には「食育」の意義もある

      学校給食の目標や実施事項は、昭和29年(1954年)に成立した「学校給食法」という法律で定められています。同法によると、給食には以下のような目標が設定されているようです。

      1. 適切な栄養をとることにより健康の保持増進を図る

      2. 健全な食生活や食習慣を持てるようにする

      3. 社交性および協同の精神を養う

      4. 生命や自然を尊重する精神、環境保全に寄与する態度を養う

      5. 食に関連して勤労を重んずる態度を養う

      6. 国や地域の食文化についての理解を深める

      7. 食料生産や流通、消費について正しい理解を得る

      学校給食は、単にお腹を満たすためだけではありません。バランスのとれた献立で、健康的な食生活を学び、地場産物や国産食材を活用することで、食に関する産業や文化への関心を育むという教育的な意義も果たしています。

      実際、学校給食における「地場産物」の使用割合は、平成30年度の26%から令和6年度には56%へ、「国産食材」は同76%から同89%と増加しています(※3、※4)。

      ルーツは世界遺産!?産業給食の歴史と変遷

      給食の恩恵を受けているのは子どもたちだけではありません。

      企業が提供する食事関連の福利厚生の代表は「産業給食(社員食堂)」です。ここからは、産業給食の歴史や意義について解説します。

      産業給食の先駆けとなった仕組みについては諸説あるようです。

      一説では明治初期頃、世界遺産「富岡製糸場(1872年創業)」で提供されていた食事がルーツと言われています。

      当時の献立表には、栄養価の高い食事がバリエーション豊かに提供されていた様子がうかがえます。

      近代を迎え工業化が進む中で、肉体労働をする労働者たちを確保するため、企業は食堂で食事を提供するようになりました。

      戦後、経済成長を遂げる中で大企業は社員食堂を設置し、安価でボリューミーな食事を提供していくようになります。

      昭和後期以降、産業給食はそのスタイルを少しずつ変化させてきました。

      最近では、カフェ風のおしゃれな空間が広がる社員食堂も珍しくありません。

      単にお腹を満たす目的から、リラックスできる場所へと変化しています。

      また近年では、従業員の健康を経営視点で考える「健康経営」に注目が集まっていることもあってか、栄養士考案のメニューなど、健康を意識したヘルシーメニューを提供する企業も増えてきました。

      学校給食との違いから見る産業給食の役割

      学校給食と産業給食は、どちらも空腹を満たし、日々の活動に必要なエネルギーを供給するという共通の役割を持っています。しかし、学校給食には、子どもたちが将来に向けて文化的かつ健康的な食生活を身につけるという教育的な意義があります。

      一方、産業給食は主に働く大人を対象としており、食事をするための金銭的・時間的な負担の軽減を図る福利厚生の一環として、また、健康維持のための役割が強くなっています。

      近年の各種調査では、企業選びの際に「福利厚生」が重視されていることが明らかになっており、その中でも食事の提供に対するニーズは非常に高い傾向が見られます。こうした背景から、企業は人材確保の観点でも社員食堂を設置しています。

      また、社員食堂は、部署や世代を超えた従業員同士のコミュニケーションを促進する場としても重要な役割を果たしています。普段業務で関わりの少ない他部署の社員と自然に会話が生まれ、新入社員が先輩社員と気軽に交流できるきっかけとなるなど、職場の人間関係の活性化にも寄与しています。

      さらに、少子高齢化による労働力の減少や定年延長といった社会的変化を受け、従業員が長く健康に働くことが必要になっています。食生活は健康維持に大きく貢献する要素とされており、社員食堂は単なる食事提供の場を超えて、従業員のウェルネスを支える重要な空間として注目されています。

      学校給食も産業給食も、根幹にあるのは「食を通じて人の健康と生活を支える」という共通の目的です。社員食堂は、働く人々の健康・交流・安心を支える場として、企業活動に欠かせない存在となっています。

      まとめ│給食は100年以上前から親しまれていた

      給食の歴史は明治時代にまでさかのぼり、学校給食も産業給食も「健康的な食生活を支える」という共通の目的を持っています。

      学校給食は食育を通じて子どもの成長を支え、産業給食は福利厚生や職場のコミュニケーション促進など、働く人の健康と生活を支える役割を果たしています。

      給食には、ただお腹を満たすだけでなく、人を育て、支える力があります。その背景や目的を知ることで、食事に込められた思いや役割に気づくきっかけになるかもしれません。

      ◆参考資料
      ※1 独立行政法人 労働政策研究・研修機構「企業における福利厚生施策の実態に関する調査-企業/従業員アンケート調査結果-(2020年)
      ※2 文部科学省:日本の学校給食はいつから実施されているの?(2025年9月24日現在)
      ※3 文部科学省 学校給食における地場産物・国産食材の使用割合(平成30年度)
      ※4 文部科学省 学校給食における地場産物及び国産食材の使用割合(令和6年度)

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