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# 時間栄養学

    太りにくい体を作る食事術

      時間を味方に!太りにくい体を作る食事術

      2025.2.19

      量を沢山食べていないのに、なぜか太ってしまった、といった経験はありませんか?肥満には、食事量の多さ以外に、食べる「時間」も関わっています。

      夜遅い食事は太りやすい?

      仕事の都合で食事がどうしても夜遅くなってしまうこと、ありますよね。夜遅い食事は太りやすくなってしまうので対策が必要です(※1,※2)。

      太りやすくなる理由

      夜は1日の中で最も食欲が出やすい時間帯です。特に夜間に甘い物をとると、食欲のスイッチが入ってしまい、過食の原因になります。他にもいくつか理由はありますが、夕食のあとは休養や睡眠をとることが多く、食事からとったエネルギーが消費されにくいことが要因としてあげられます。

      仕事が夜遅くなってしまうときの対策

      規則正しい生活習慣を保つことが理想ですが、仕事や育児、子どもの受験、親の介護など、様々な要因が重なると生活リズムが乱れてしまうこともあります。特に食事の時間が夜遅くなってしまう場合は、健康を維持するために「分食」を取り入れてみてはいかがでしょうか。分食とは、1回の食事を複数回に分けて食べることです。分食のメリットには、肥満の原因となる食後の高血糖を防ぐ効果があります。空腹時間が長くなると、血中に遊離脂肪酸という脂肪が増えます。遊離脂肪酸はインスリンというホルモンの働きを弱め、高血糖を引き起こす要因となります。

      例えば、夕食を分けて食べる場合、以下のようにすると良いでしょう。

      ●1回目の食事(夕方)
      おにぎりやサンドイッチなどの主食 + 野菜や野菜ジュース

      ●2回目の食事(夜遅く)
      主食を抜いて、脂質の少ないおかずや野菜の小鉢を中心に軽めの食事

      ポイントは、1回目の食事で糖質を摂り、2回目では糖質を控えることです。これにより、血糖値の急上昇を防ぐことができるため、糖尿病や肥満の予防に役立ちます。

      食物繊維はいつとるのがベスト?

      太りにくい体づくりのため、積極的にとりたい食物繊維。食物繊維は便通を改善し、また、糖質・脂質の吸収を穏やかにしてくれる働きがありますが、腸内環境を整えることでも有名ですね(※3,※4)。

      食物繊維は腸内細菌の「エサ」

      最近の研究で、腸内環境を整えることが肥満予防に効果的であることが分かってきました。腸内には数兆個の細菌が存在し、これらの細菌が健康に重要な役割を果たしています。特に、腸内細菌が作り出す「短鎖脂肪酸」は、食欲のコントロールや脂肪蓄積の抑制といった肥満を防ぐ働きがあります。食物繊維は腸内細菌のエサとなり、短鎖脂肪酸をはじめとした健康によい代謝物質を作り出します。

      朝食で食物繊維をとると体に良い理由

      毎食とりたい食物繊維。朝に食物繊維をとると、腸内環境の改善に役立つほか、食後の血糖値の急上昇を防ぐ効果があります。例えば、朝食に具沢山の味噌汁を取り入れると良いでしょう。野菜だけでなく、乾燥わかめやひじきなどの海藻を加えることで、手軽に食物繊維を増やせます。パンの場合は、野菜たっぷりのスープもおすすめ。
      また、朝食が簡単になりがちな場合でも、卵や豆腐などのたんぱく質と一緒に食物繊維をとることで、栄養バランスが整い、健康的な1日をスタートさせることができます。

      間食をとり入れて肥満予防!

      肥満予防のための間食のとり方を紹介します(※5)。

      セカンドミール効果とは

      最初にとる食事が次にとる食事の血糖値に影響を与える現象があります。例えば、朝食で食物繊維が豊富な食事をとると、その後の昼食や夕食後の血糖値の上昇を抑えることができます。これは、食物繊維が消化・吸収を遅らせることで、血糖値の急上昇を防ぐからです。また、血糖値は肥満と密接な関係があるため、血糖値の上昇を防ぎ、適切に管理することは肥満予防に重要な役割を持ちます。

      栄養士おすすめの間食

      セカンドミール効果を得るための間食のポイントは、食物繊維とたんぱく質がとれるものを選ぶこと。おすすめの間食は、大豆がベースのスティックバー、小袋のナッツ、チーズなどの乳製品があります。最近では、コンビニでも手軽にとれる間食が増えているので、パッケージの栄養成分表示を確認し、エネルギーだけではなく、たんぱく質と食物繊維の量も注目してみてください。

      (番外編)「いつ」するかで変わる運動効果

      運動するタイミングも太りにくい体づくりには重要です(※6,※7)。
      ※持病があり心配があるかたは主治医に相談のうえご参考にしてください。

      朝のほうが脂肪燃焼しやすい

      食事前の朝に有酸素運動を行うと、夕方に比べて脂肪が消費されやすいことが分かっています。朝の運動は体内時計を整え、血流を良くし、その日1日の家事や仕事の効率を上げてくれます。疲れすぎない程度の軽いジョギングやウォーキングがおすすめです。

      筋肉をつけるなら夕方?

      ある研究では、夕方が筋トレタイミングとして適切であるとされています。夕方に筋トレを行うことで、体温や筋力がピークに達し、効果的なトレーニングが可能です。一方、寝る前に激しい運動をすると、興奮状態が続き、入眠を妨げることがあります。そのため、負荷の高いトレーニングは寝る直前にならないように行うと良いでしょう。

      まとめ|「いつ」「何を」するかを意識することが、太りにくい体作りへの近道!

      太りにくい体作りのためには「いつ」「何を」するかが重要なポイントです。規則正しい生活習慣がおくれない場合では、食事を変えるなど「何を」を変えて対策をしましょう。

      ■参考資料
      ※1 農林水産省: 夜遅く食事をとるときは 
      https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/minnanavi/topics/topics203.html (2024年12月13日現在)
      ※2 今井佐恵子, 梶山靜夫: 夕食時間と健康, 臨床栄養, 3: 136, 2020.
      ※3 農林水産省: 食物繊維の必要性と健康 | e-ヘルスネット
      https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-001.html (2024年12月13日現在)
      ※4 田中逸: 2)時間代謝学に基づく効率的な食事と運動を考える, 日本内科学会雑誌, 
      105, 411 - 416, 2016.
      ※5 岩下聡ら : 大豆配合焼き菓子の血糖応答とそのセカンドミール効果に関する検討, 薬理と治療, 36: 417 - 427, 2008.
      ※6 柴田重信:時間運動学と時間栄養学, 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌, 31: 30 - 34, 2022.
      ※7 高橋将記, 福家冴佳: 食事・運動のタイミングと肥満・糖尿病予防, 肥満研究, 2: 29, 
      2023.

      兵庫県立大学栄養教育・栄養生理学研究室 監修

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