# 時間栄養学
朝のたんぱく質
朝のたんぱく質で元気チャージ
2025.2.12

朝食は体内時計をリセットする方法の一つとして知られています。最近、「朝たんぱく」という言葉をよく見かけるようになりました。なぜ朝たんぱくが注目されているのか、時間栄養学の観点からひも解いていきます。
毎朝たんぱく質をとっていますか?
日本の朝食欠食の現状
朝食を習慣的に欠食している割合は約1割ですが、飲み物やサプリだけと簡単に済ませたり、忙しい日はたまに欠食してしまったり、という人もいるのではないでしょうか。朝食を欠食すると、体内時計がずれてしまい、心身や生活習慣にも影響を及ぼす可能性があります。例えば、朝食を欠食した時、仕事や勉強のパフォーマンス低下を感じる、集中できない、眠くなるなど思い当たることはありませんか?
たんぱく質は夕食に偏りがち!?
日本人の一般的な食習慣において、朝食、昼食、夕食でのたんぱく質摂取状況を比較すると、朝食のたんぱく質摂取は昼食や夕食と比較して少ない場合が多く、夕食に大きく偏る傾向があります(※1)。朝食は食べているけど、ご飯やパンだけで済ませることが多い方は、朝食こそたんぱく質を意識してみてください。
朝食にたんぱく質をとると良い理由
筋肉を作るのに効果的
私たちは普段の生活で多くの筋肉を使い生活していますが、加齢に伴い筋肉量は徐々に減少していきます。また、年齢にかかわらず、朝食でのたんぱく質不足は筋肉量の低下を引き起こすことも分かっています。
たんぱく質摂取量を朝食・昼食・夕食で均等にした食事と、夕食に偏った食事を比較すると、たんぱく質摂取量を均等にした食事の方が筋肉の合成をより促進していたことが分かりました(※2)。朝食でのたんぱく質を意識して増やし、3食均等にすることで筋肉量や筋力の維持に良い影響を与えることができます。また、身体活動で筋肉がつき基礎代謝が上がれば、太りにくく疲れにくい体が手に入ります。さらに、朝食でたんぱく質をとることは、活力アップにもつながります。
朝食のたんぱく質量はどのくらいがよい?
朝食でとるたんぱく質の量はどのくらいが適切でしょうか?筋肉の合成を最大化するためには、1食体重1kgあたり0.24~0.4g、または1食につき約20gのたんぱく質を目安にすると良いでしょう。(※3,※4)
例えば、ご飯・鮭の塩焼き・納豆・具だくさんみそ汁の和食の組み合わせや、食パン2枚・スクランブルエッグ・ほうれん草のソテー・牛乳の洋食の組み合わせでは、どちらも約23gのたんぱく質をとることができます。このような組み合わせは主食・おかず・副菜が揃っており理想的ですが、難しいと感じる方もいるでしょう。しかし、食パンだけでは約5gのたんぱく質しかとれませんが、ハムやチーズをのせて牛乳を一緒に飲むだけで約20gのたんぱく質をとることは可能です。
朝食で定番の食材のたんぱく質量を紹介しますので、参考にしてください。
《たんぱく質がとれる食材例(※5)》
ごはん 1杯(150g):3.8g
食パン 6枚切り1枚(60g):5.3g
卵 1個(50g):6.1g
納豆 1パック(45g):7.4g
鮭 1切れ(50g):9.8g
ロースハム 2枚:3.7g
スライスチーズ 1枚:4.1g
牛乳 コップ1杯(200mL):6.6g
豆乳 コップ1杯(200mL):6.4g
ヨーグルト 1個(80g):2.9g

時間栄養学の観点をとりいれた朝食のポイント
糖質(炭水化物)+たんぱく質でより効果的に
炭水化物をとると血糖値が上昇し、インスリンが分泌されるため体内時計がリセットされます。また、たんぱく質も一緒にとることでその効果はさらに高まります。筋肉の合成の観点からも、たんぱく質のみでとるよりも、炭水化物も一緒にとることでより筋肉の合成がより促進されることが分かっています。
前日に翌日の朝食を準備しておくことも◎
朝の忙しい時間で何品も料理することは難しいでしょう。その場合、前日の夕食時に翌日の朝食を一緒に準備したり、夕食の残りをアレンジして簡単に作れるようにすると、時間のない朝でもしっかりと朝食をとることができます。
コンビニで選ぶときは?
自炊されない方や時間がない方は、コンビニで選び方を工夫しましょう。コンビニで手軽にとれるたんぱく質としてはサラダチキンが人気ですが、朝食にはツナや鮭のおにぎりとカニカマや魚肉ソーセージの組み合わせがおすすめです。魚に含まれるDHAやEPAには中性脂肪の低下、動脈硬化や心血管系疾患の予防も期待できます。
まとめ|朝たんぱくで目指す健康生活
朝食でたんぱく質をとることは、筋肉量や筋力を維持する助けとなります。それ以外にも、姿勢の保持、スタイル維持、転倒や骨折のリスク予防に役立ちます。さらに、筋肉量が増えることでエネルギー消費量が増加し、太りにくい体を作ることにもつながります。朝たんぱくを意識してとり、元気に1日をスタートさせましょう。
■参考資料
※1 Ishikawa-Takata K and Takimoto H. Current protein and amino acid intakes among Japanese people: Analysis of the 2012 national health and nutrition survey. Geriatr Gerontol Int, 18: 723 - 731, 2018.
※2 HK Kim et al. Supplementation of Protein at Breakfast Rather Than at Dinner and Lunch Is Effective on Skeletal Muscle Mass in Older Adults. Front Nutr 8: 797004, 2021.
※3 Moore D et al. Protein ingestion to stimulate myofibrillar protein synthesis requires greater relative protein intakes in healthy older versus younger men. J Gerontol A Biol Sci Med Sci 70: 57 - 62, 2015.
※4 Yasuda et al. Association of Protein Intake in Three Meals with Muscle Mass in Healthy Young Subjects: A Cross-Sectional Study. Nutrients 11: 612, 2019.
※5 文部科学省, 日本標準食品成分表2020年版(八訂).
兵庫県立大学栄養教育・栄養生理学研究室 監修







