ヨミサプ~ヨム・ミル・サプリ~
バックナンバー
ヨミサプ~ヨム・ミル・サプリ~

# 栄養素

  • # 筋肉関連

イミダゾールペプチド

  • # 筋肉関連

イミダゾールジペプチドの力

2026.01.07

この記事では、筋肉疲労の軽減や持久力向上に効果があるとされるイミダゾールジペプチドについてご紹介します。

イミダゾールジペプチドとは?

筋トレやスポーツをする人にとって、疲労回復や持久力の維持は重要な課題です。そのサポート成分として注目されているのがイミダゾールジペプチド。別名、イミダペプチド、イミダゾールペプチドとも呼ばれます。

これはアミノ酸の一種である、ヒスチジンを含む2つのアミノ酸が結合したペプチドの総称でさまざまな動物が元々もっている成分です。代表的なものに、哺乳類に多い「カルノシン」と鳥類や魚類に多い「アンセリン」があります。渡り鳥の胸筋やマグロやカツオの尾びれなど、長時間動き続ける筋肉に多く含まれています。

注目されたきっかけ

渡り鳥は季節ごとに住処を変え、年間で数千~数万キロもの距離を移動することがあります。この驚異的な持久力の秘密を探る中で、渡り鳥の羽の付け根に疲労を抑える働きを持つ「イミダゾールジペプチド」が高濃度で含まれていることがわかりました。この発見をきっかけに抗疲労に関する研究が進み、2003年には産官学連携による「抗疲労食薬開発プロジェクト」が発足。ヒト試験でも抗疲労効果が確認され、実用化に向けた取り組みが加速しています。

イミダゾールジペプチドのはたらき

●抗酸化作用
筋トレやスポーツなどによって発生する活性酸素は、筋肉細胞を傷つけ、炎症や回復が遅れる原因になります。イミダゾールジペプチドはこの活性酸素を除去する力が強く、筋肉の損傷を防ぎ、回復を促進するはたらきがあります。

●緩衝作用
高強度の運動をすると、エネルギーをつくり出す際に乳酸由来の水素イオンが増え、この影響で筋肉が酸性に傾くと疲労が進みます。イミダゾールジペプチドは、酸性に傾いたpHを元に戻すように働き、筋肉の酸やアルカリのバランスを整えることで疲労を軽減します。

その他に、集中力の維持や精神的な疲労感の軽減、記憶機能改善など、脳の機能へのプラスの効果も少しずつ明らかになってきており、仕事や学習の面でも嬉しいはたらきが期待できるかもしれません。

どのくらい必要?

日本人の食事摂取基準(2025年版)では、1日の必要量は示されていませんが、不足すると筋肉の回復力が低下し、トレーニング後の疲労感が長引く可能性があります。特に高強度のトレーニングを行う人や、日常的にストレスの多い人は、体内の抗酸化力が低下しやすく、筋肉の炎症や損傷が蓄積しやすくなります。

また、加齢により体内のイミダゾールジペプチド量は減少する傾向があるため、30代以降の方は意識的にとることでパフォーマンスの維持に役立ちます。

摂取時の注意点

現在のところ、イミダゾールジペプチドの過剰摂取による明確な副作用は報告されていません。ただし、サプリメントなどで極端に摂取することは避けましょう。特に腎機能に不安がある方は、医師に相談の上で摂取するようにしてください。基本は食品からの摂取を心がけ、栄養バランスを崩さないことが大切です。

イミダゾールジペプチドを含む代表的な食品

鶏むね肉、鶏ささみ、マグロ(赤身)、カツオ、サバ、ブリ……など

調理の工夫

イミダゾールジペプチドは加熱料理にも比較的安定しているため、焼いたり、蒸したり煮たりしても有効成分は残ります。ただし、水には溶けやすい性質があるため、煮込む場合には煮汁ごと食べるスープにするとよいでしょう。

また、ビタミンCやクエン酸と一緒にとることで、抗酸化作用が高まります。

まとめ

イミダゾールジペプチドは、筋疲労の回復や持久力向上に役立つ成分です。日々の食事に取り入れることで、トレーニングだけでなく仕事などのパフォーマンスもサポートしてくれます。さらに、加齢による減少を補うことで、健康維持や認知機能の改善にも期待できます。鶏むね肉や魚を食事に取り入れて効率的に補給しましょう。

■参考資料
独立行政法人農畜産業振興機構HP:鶏肉に含まれるイミダゾールジペプチドとその機能性について(2025年12月15日現在)
西谷ら:新規抗疲労成分:イミダゾールペプチド,日本補完代替医療学会誌 3:123-129,2009.

TOP

Back Number