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人の体を作る基!アミノ酸

2026.01.07

この記事では、人の体をつくる基となるたんぱく質を構成するアミノ酸について紹介します。

アミノ酸とは?

1806年にフランスの科学者が、アスパラガスから最初のアミノ酸「アスパラギン」を発見したことから始まります。1838年にたんぱく質という概念が生まれ、アミノ酸が長く鎖状に結合したもので構成されていることが示されました。20世紀に入り、アミノ酸についての研究が盛んになり、必須アミノ酸(不可欠アミノ酸)という概念が確立されました。現在ではスポーツ栄養やアンチエイジング、メンタルヘルスケアなど幅広い分野で注目されています。

アミノ酸のはたらき

アミノ酸の構造

アミノ酸はたんぱく質を構成する分子です。人の体の20%はたんぱく質でできており、そのたんぱく質はアミノ酸がペプチド結合によって数珠繋ぎになることでできています。

アミノ酸の種類

アミノ酸は20種類あり、そのうち9種類は必須アミノ酸と呼ばれており、体内で合成ができないため、食事からの摂取が必要です。残りの11種類は体内での合成が可能です。

●必須アミノ酸(Essential Amino Acids:EAA)
バリン・ロイシン・イソロイシン・リジン・メチオニン・フェニルアラニン・スレオニン・トリプトファン・ヒスチジン

●分岐鎖アミノ酸(Branched Chain Amino Acids:BCAA)
必須アミノ酸の中でも、バリン・ロイシン・イソロイシンの3種類は分岐鎖アミノ酸と呼ばれ、筋たんぱく質の合成や運動時のエネルギー源になるほか、筋たんぱく質の分解抑制や疲労回復などにも役立ちます。

アミノ酸はどれくらい必要?

アミノ酸の必要量は、WHO(世界保健機関)では、以下のように1日当たりの推奨量が定められています。

推奨量

男女18歳以上

バリン

26 mg/kg/日

ロイシン

39 mg/kg/日

イソロイシン

20 mg/kg/日

リジン

30 mg/kg/日

メチオニン+シスチン

15 mg/kg/日

フェニルアラニン+チロシン

25 mg/kg/日

スレオニン

15 mg/kg/日

トリプトファン

4 mg/kg/日

ヒスチジン

10 mg/kg/日

※日本では必要量を設定するための十分なエビデンスが確立されていないため、基準値の設定には至っていません。

アミノ酸の不足ととり過ぎについて

人の体は約20%がたんぱく質でできていますので、たんぱく質を構成しているアミノ酸が不足したり過剰になったりすると不調をきたします。

必須アミノ酸が不足すると

必須アミノ酸は体内で合成できないため、食事から摂取する必要があります。3食バランスを意識して食事をとっていれば不足することはあまりありません。偏食や極端なダイエットなどをしていると不足する場合があります。長期的に不足すると、筋肉量の減少や免疫力低下、成長障害、ホルモン・神経伝達物質の合成不全などが生じます。例えば、バリン・ロイシン・イソロイシンが不足すると筋肉量の減少や筋力低下、疲労感が増します。リジン不足は免疫低下や皮膚トラブル、トリプトファン不足はセロトニン合成低下による不眠やうつ症状を引き起すリスクがあります。

必須アミノ酸をとり過ぎると

通常の食事では過剰摂取の問題はほとんどありません。しかし、サプリメントや強化食品で大量に摂取すると、消化器症状として下痢や吐き気などの症状を引き起こす可能性があります。また、特定のアミノ酸過剰は他のアミノ酸吸収を阻害します。特に、メチオニン過剰はバリン・ロイシンなどの吸収を低下させる可能性があります。

長期的な過剰摂取により、腎臓や肝臓に負担をかけ、アンモニアの蓄積や代謝バランスの乱れを招くことがあります。例えばメチオニン代謝によるホモシステインの増加は、心血管リスクを高めます。

アミノ酸のバランス

食品ごとに含まれるアミノ酸の種類や量は異なるため、バランスよくとることが重要です。そのバランスを評価するために使われる指標が「アミノ酸スコア」です。

アミノ酸スコアとは?

アミノ酸スコアとは、食品に含まれる9種類の必須アミノ酸が人体にとって理想的なバランスであるかを評価する指標で、0~100で示されます。スコアが100であれば、必須アミノ酸のバランスが理想的という意味です。

制限アミノ酸とは?

アミノ酸スコアが100でない食品には、必須アミノ酸の中で不足しているものがあります。その中でも最も不足しているものを「制限アミノ酸」と呼びます。必須アミノ酸はどれも重要で、1種類でも不足すると、他のアミノ酸が十分にあっても、体はたんぱく質をうまくつくることができません。

日常での活用ポイント

基本的に、毎食「主菜(肉・魚・卵・大豆製品)」をとっていれば、アミノ酸スコアを気にする必要はありません。ほとんどの動物性食品はスコアが100で、バランスがよいからです。しかし、主菜を抜いたり、植物性食品に偏る食事をしたりする場合には注意が必要です。穀類や野菜はスコアが低いものも多いため、組み合わせで補う工夫が大切です。ヴィーガン食など植物性食品の食事では、リジンやメチオニンなどが制限アミノ酸になりやすい傾向があります。豆類を組み合わせることで不足を補えます。

まとめ

アミノ酸はたんぱく質を構成する基本の単位であり、私たちの体の筋肉や臓器、皮膚や爪、髪の毛、ホルモン、酵素などの材料です。必須アミノ酸は体内で合成ができないので、食事からしっかりとるようにしましょう。

■参考資料
WHO/FAO/UNU Protein and Amino Acid Requirements in Human Nutrition(2007年)
厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2025年版)

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