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食物繊維
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食物繊維で、腸から整える健康習慣
2025.11.05

この記事では、腸内環境を整えるだけでなく、血糖値やコレステロール値のコントロールにも役立ち、生活習慣病の予防にもつながる食物繊維について紹介します。
食物繊維とは?

食物繊維は、私たちの体内では消化・吸収されにくい多糖類や難消化性成分の総称です。腸内でさまざまなはたらきをしてくれる“縁の下の力持ち”のような存在で、便通を整えたり、腸内の善玉菌を育てたりと、健康の土台を支えています。
実はこの食物繊維、古代ギリシャの時代から「便秘予防に良い」とされていた記録が残っています。当時は小麦ふすま(小麦の外皮)を活用していたそうです。とはいえ、科学的な理解が進むまでは、食物繊維は「エネルギーにならない」「栄養素の吸収を妨げる」として、ただの“食べ物のカス”と見なされていた時代もありました。
転機が訪れたのは20世紀。1930年代には、アメリカのケロッグ博士が小麦ふすまの健康効果に注目し、便秘や大腸炎の患者に対する影響を研究しました。さらに1950年代には、イギリスのヒップスレー医師が「ダイエタリーファイバー(dietary fiber)」という言葉を初めて使い、食物繊維が科学的に注目されるようになります。
こうして、かつては「不要なもの」とされていた食物繊維が、今では炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラルという5大栄養素に次ぐ「第6の栄養素」として、健康維持に欠かせない存在となったのです。
食物繊維のはたらき
大きく分けて「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類があり、それぞれ異なるはたらきを持っています。
水溶性食物繊維
水に溶けるタイプの食物繊維で、腸内でゲル状になり、糖質や脂質(コレステロールや中性脂肪)を包み込むようにはたらきます。
血糖値の急上昇を防ぐ
糖質の消化・吸収を穏やかにして、食後の血糖値の急激な上昇を抑えます。コレステロールの吸収を抑える
コレステロールや中性脂肪の吸収を妨げ、体外への排出を促します。血中コレステロール値を下げる
食物繊維は消化・吸収を穏やかにするはたらきがありますが、これは消化液の一つの胆汁酸を吸着して排出する作用からです。胆汁酸はコレステロールから作られ、少なくなると合成が促進されるため、結果血中のコレステロールを低下させます。
不溶性食物繊維
水に溶けないタイプの食物繊維で、胃や腸内で水分を吸収してかさが増します。それにより満腹感が得られ、食べすぎを防ぐことができます。
水溶性・不溶性両方のはたらき
腸内環境を整える
腸内の善玉菌のエサとなり、腸内環境を整える「プレバイオティクス」としてはたらきます。腸が元気になると、睡眠の質の向上や免疫力、肌の調子にも良い影響があることが知られています。腸活については、こちらの記事もぜひご覧ください。
便通を改善する
大腸内の便量を増やし、腸を刺激して排便を促し、便秘の予防・改善にも役立ちます。
食物繊維はどれくらい必要?
食物繊維の必要量は、日本人の食事摂取基準(2025年度版)では、以下のように1日当たりの目標量が定められています。
目標量
男性(18歳以上):20~21g以上(年代による)
女性(18歳以上):17~18g以上(年代による)
生活習慣病予防の観点からは、1日25g以上の摂取が推奨されています。
食物繊維の不足ととり過ぎについて
食物繊維が不足すると
食物繊維が不足すると、便秘だけでなく、肥満・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病のリスクが高まります。腸内環境の悪化は、免疫力の低下や肌トラブルにもつながることがあります。現代の食生活では、食物繊維の摂取量が目標量に達していない人が多く、意識的に食生活に取り入れることが求められています。
食物繊維をとり過ぎると
通常の食事では過剰摂取の心配はほとんどありませんが、健康食品などで過剰に摂取すると、腸管への刺激による下痢や、鉄・カルシウム・亜鉛などのミネラルの吸収阻害を起こす可能性があります。
食物繊維を含む代表的な食品
ライ麦パン、おから、干し芋、納豆、ごぼう、芽キャベツ、アボカド、昆布
まとめ
食物繊維は、腸内環境を整え、血糖値やコレステロールのコントロールにも役立つ、健康づくりに欠かせない栄養素です。水溶性・不溶性の両方をバランスよくとることで、より効果的に働いてくれます。毎日の食事で、少しずつ意識してみませんか?
◆参考資料
厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2025年版)
文部科学省 日本食品標準成分表(2020年)八訂





