ヨミサプ~ヨム・ミル・サプリ~
バックナンバー
ヨミサプ~ヨム・ミル・サプリ~

# コラム

  • # 食事バランス関連

食事摂取基準

  • # 食事バランス関連

「食事摂取基準」は栄養士の仕事の羅針盤!

2025.11.05

こんにちは、管理栄養士のみのりです。健康のために食事へ気を配っていると、「糖質は控えるべき?」「たんぱく質はどれくらい?」「塩分は?」といった疑問をネットなどで検索することがあると思います。昨今情報があふれ、結局どれを信じたらいいのかわからない……という経験はありませんか?

そんなときの“よりどころ”が、厚生労働省が公表する「日本人の食事摂取基準」。健康な人が不足も過剰も避けつつ、生活習慣病を予防するための摂取量の目安を体系的に示した公的指標です。今回は食事摂取基準についてご紹介します。

「日本人の食事摂取基準」とは?

栄養士にとって欠かせない大切な目安です。毎日の食事をどう整えるか、その方向を示してくれる、まさに健康づくりの羅針盤といえる存在ですが、栄養士でないとあまり馴染みがないかもしれません。

食事摂取基準の概要

日本人の食事摂取基準は、厚生労働省が所管し、5年ごとに改定される公的な栄養指標です。エネルギーと脂質やたんぱく質といった各栄養素の基準を示しています。最新版は今年公表された2025年版です。最新の疫学・臨床研究を踏まえ、専門家による検討会の審議を経て策定されます。

≪食事摂取基準の目的≫

  • 健康の維持、増進

  • 栄養素欠乏の予防

  • 過剰摂取による健康障害の予防

  • 生活習慣病の一次予防

栄養は“欠乏を防ぐ”から“過不足を整えて健康を守る”時代へ

日本の栄養基準の歴史は、明治時代の「脚気(ビタミンB₁不足)」への対策にまでさかのぼります。長く「低栄養の予防・改善」を中心に整えられてきましたが、2005年に大きな転機を迎えました。この年、アメリカのDRIs(食事摂取基準)の考え方がほぼ全面的に取り入れられ、これまでの満たすことを意識した「栄養“所要量”」という名称から「食事摂取“基準”」へと変更されました。

それにより、「不足を補う」ことから「整える・予防する」ことへと視点が広がり、生活習慣病の一次予防も新たな目的として加えられました。食事を通じて健康を守るという考え方が、より身近なものになったのです。

食事摂取基準の活用

学校や病院、企業の給食では、食事摂取基準が献立づくりの大切な目安になっています。栄養士は食事摂取基準をもとに年齢や性別、活動量に合わせて献立の栄養基準を決定。基準に合せて食材や調理法を組み合わせて、健康的な食事を考えています。

食事摂取基準は栄養士にとっては仕事の相棒ですが、一般の方にとっては少しハードルが高いかもしれません。専門用語や数値をすべて理解して日々の食事に反映するのは、正直なところ栄養士でないと難しいものです。

そこでおすすめなのは、基準の一つであるPFCバランス(たんぱく質・脂質・炭水化物の比率)を意識することです。例えば、エネルギーのうち「たんぱく質13〜20%、脂質20〜30%、残りを炭水化物で」という目安を覚えておくだけでも、食事のバランスはぐっと整います。PFCバランスについてはこちらを確認ください。

ヨミサプ| PFCバランスって知ってる? 

また、食事摂取基準などをもとに考えられている「食事バランスガイド」を活用してみましょう。食事バランスガイドは、一般の人でもわかりやすく実践しやすいように料理単位で示しているツールです。

「食事バランスガイド」について|厚生労働省 

栄養バランスを極めた食事とは?

最近では、インスタント食品や冷凍食品といった、従来は「栄養バランスが悪いのでは?」と思われがちな加工食品でも、栄養価をしっかり整えた商品をよく見かけるようになりました。その中には「完全栄養」とうたうものもありますが、これは食事摂取基準を参考に、必要な栄養素を満たせるよう設計されているためです。

背景には、「健康でいたいけれど、忙しくて食事に時間をかけられない」「そもそも食事にあまり関心がない」という人が増えている現状があります。

食事として本当に「完全」なのかは、一概には言えません。確かに、食事摂取基準を参考に設計され、主要な栄養素をバランスよく含む商品も多く、忙しいときの食事には便利です。しかし、“完全”=“万能”ではありません。噛む回数の減少や、食事の楽しみ、食文化とのつながりといった要素は補えず、商品によってはエネルギーや脂質が不足する場合もあります。

完全栄養に頼りすぎることなく、あくまで“補助線”として使うのがポイントです。栄養バランスを整えるため、忙しいときにのみ取り入れてみるのが現実的です。

興味を持ったら見てみて!食事摂取基準

「何をどれだけ食べればよいのか」と迷ったとき、参考になるのが「食事摂取基準」です。これは専門家向けの資料と思われがちですが、実はどなたでも無料で閲覧することができます。最新の基準は、厚生労働省のホームページからダウンロード可能です。信頼できる情報源として、食生活を見直す際に一度ご覧になってみるのもおすすめです。

■参考資料
農林水産省 食事バランスガイド

TOP

Back Number